デンジはマキマに母性を求めた?木を切ることでママになる?

公開日: 2022年10月2日 | 最終更新日: 2022年11月19日

 

チェンソーマン】の主人公、デンジが公安に所属するきっかけとなった女性、マキマ。

長い髪を後ろで三つ編みにまとめた清楚な雰囲気のある美女で、デンジはマキマを好きになったことで、公安のデビルハンターとして働くようになります。

自分に優しくしてくれたマキマに、初めは下心に突き動かされるように感情を寄せていたデンジ。

 

ですが、マキマに大事なアキやパワーを奪われてもなお、彼はマキマを想い続けていました

マキマを倒すことができたのも、デンジの彼女への「愛の力」だと公言するほどでした。

デンジのマキマへの想いは原動力であったと同時に、物語の幕引きに重要な役割を担ったものだったと言えるでしょう。

 

このようにデンジの中では、マキマなしでは生きていけない状態となっていましたが、なぜここまでの想いがあったのでしょうか?

ファンの中では、デンジがマキマに寄せていたのは恋心ではなく、彼女に母性を求めていたのだとされています。

そう言われる要因は、マキマの名前の由来が「ママ」であるからとされています。

 

この記事ではデンジが抱いていた感情や、マキマの名前の由来について詳しく考察します↓↓

この記事を見て分かること
  • デンジがマキマに求めた母性について
  • マキマの名前の由来

 

 

デンジはマキマに母性を求めた?

 

「デンジがマキマに母性を求めた」と聞くと「まさか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

確かに、デンジはマキマの胸を揉むことや、付き合うことを目的にデビルハンターの仕事をしていましたし、彼の想いは恋心(下心)だと読めるでしょう。

 

ですが、作中の色んな描写から、そうではないことが分かるです。

では、どんな描写からデンジがマキマに母性を求めていたと言えるのでしょうか?

早速、見ていきましょう↓↓

 

デンジがマキマに抱く「好き」は母性を現していた

デンジがマキマに抱く「好き」の形は、実は作中でさまざまな描写で表現されています↓↓

  1. 胸を揉みたい
  2. 優しくしてくれる
  3. 好きになってくれる
  4. 甘えさせてくれる

 

この4つが分かるシーンを、1つずつ確認してみましょう↓↓

①胸を揉みたい

 

 

 

②優しくしてくれる

 

 

③好きになってくれる

 

 

④甘えさせてくれる

 

いかがでしょうか?

実は、デンジは「マキマに母性を求めていた」ことが分かります。

マキマがデンジにしていた行動。

そしてデンジがマキマに惹かれていた言動は、まるで母親が子供にする行動であったり、子供が母親に求める言動ですよね。

 

でも、「いや、こんな女性がいたら誰でも好きになる」と思う方も多いと思います。

私もそう思います。笑

では、次にデンジの生い立ちを振り返って、なぜ①〜④のような好意をマキマに持っていたのかを考えてみましょう。

 

 

デンジは幼い頃に母親を心臓の病気で亡くしている

 

実際、デンジの母親はどんな人だったのでしょうか?

作中には登場しないため、実際のところは分かりません。

デンジはまだ10歳にも満たないであろう頃に父親を亡くしていますが、母親はさらに幼い頃に亡くなっていることが物語の冒頭で語られました。

 

実はデンジの母親は、心臓の病気で亡くなっていたのです。

自分が血を吐いた時、母親の病気のことを人づてに聞いたこととして語っているため、デンジは母親の記憶がありません。

なので、母親の愛というものを知らなかったのです。

 

父親を殺し借金まみれの生活により愛情不足になっていたと予想

 

もちろん母親がいないからといって、女性を母親代わりとして好きになる訳ではないですよね。

たくさんの愛情を幼い頃からもらって育っていれば、そんなこともないかもしれません。

 

しかし、デンジの場合は父親からの暴力を受けて育っていたことが明らかになっています。

そんな父親から命を守るために、その父親を殺した幼少期。

 

そして父親から解放された後は、父が残した借金の返済のため、ヤクザに利用され続ける借金まみれの生活。

このような生活を幼い頃からしていたデンジに、子どもが健康的に育つために必要な愛情が不足していたことは考えるまでもないでしょう。

ポチタを特別大事に思っていたのも、愛情に飢えた子どもであったデンジに、ポチタが愛を注いでくれたからだったのでしょう。

デンジは自分でも無意識のうちに、他人の愛情を求めていたことがわかりますね。

 

 

マキマの名前の由来は「ママ」

デンジがマキマに母性を求めていたと考えられる要因のうち、何より確定的なのは、マキマの名前の由来でしょう。

藤本タツキ先生によると、マキマの名前の由来は「ママ」であることが明らかにされています。

マキマが「ママ」をモチーフとして作られたキャラなのであれば、デンジとは母子関係という隠喩が込められていることになりますね。

マキマという名前は風変わりで、日本人らしくなく「支配の悪魔」にも関係なさそうな名前だと思っていましたが、まさかこんな意味があるとは!

タツキ先生のキャラの造形力に驚くエピソードではないでしょうか。

 

主人公をチェンソーにしたのは「木(キ)」を切るため

 

マキマという名前の由来がママであることは分かりましたが、間にある「」の字はどこからきたのかと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

実はこの「キ」も意味があるんです。

これは「木」を表しており、チェンソーでを切ると「ママ」になるという意味が込められているんだそうです。

主人公デンジがチェンソーであることからも、マキマの名前は必然的に生まれたと言えますね!

 

デンジは恋愛感情ではなく家族としての愛情が欲しかった

では実際に、作中でデンジは家族としての愛情を欲していたのでしょうか?

マキマに寄せる感情が、まるで母親に甘える子どものようなものであったことは確認しましたが、実際にデンジが言葉にしていたのは「マキマと恋人同士になること」でしたよね。

単純に母親がいなかったから、恋愛関係の相手に母性的な人を求めているだけなのでは?と疑問に思います。

 

しかし、デンジが恋愛ではなく家族としての愛情を優先している描写はしっかりあるのです。

それは、パワーが「闇の悪魔」を怖がって1人では生活できなくなってしまった時に描かれています。

事件がひと段落したマキマが、江ノ島にデンジと2人きりでの旅行に誘うのですが、それをパワーの介護のために断っているのです。

旅行中にパワーを施設に預けるという選択肢もあった中で、なぜ断ったのか?

 

本人も「なんでだ?」と分かっていない様子でしたが、そのコマでは3人分の洗濯物が描かれていました↓↓

 

この3人分の洗濯物は、デンジ、アキ、パワーという家族の日常を表現していることから、デンジは「マキマとの2人での旅行」ではなく、家族を選んだと読み取れます。

そして、これは「パワーへの無意識の恋愛感情があるのでは?」と思う方もいっらしゃるかもしれません。

ですが、パワーの介護のために一緒に風呂に入ったりするシーンなどで、デンジが彼女を性的な相手として見れないことが繰り返し描かれています。

やはりデンジにとって、パワーとの関係性は家族であると読み取ることが妥当だと思います。

 

 

このように、デンジは無意識のうちに「恋愛ではなく、家族」としての愛情を優先してることが描かれているのです。

生育環境を踏まえると、デンジがいかに家族としての愛情を欲していたかということが分かりますね。

 

マキマもまた支配以外の対等な関係を築きたかった

 

そして、家族としての愛情を求めていたのは、デンジだけでなくマキマも一緒だったのです。

それは、ポチタが「支配の悪魔」のことをデンジに説明した際に明らかにされています。

「支配の悪魔」は築くことができるのは「支配の力」によってのみ。

彼女が欲したのは、支配による関係性ではなく「相手との対等な関係性」だったのです。

 

だからこそ、ポチタは「支配の悪魔を抱きしめてあげて」とデンジに語ります。

マキマが死んで、新たな「支配の悪魔」として生まれたナユタという少女が現れた際、デンジは彼女を抱きしめて眠りました。

 

デンジと「支配の悪魔」との関係性は、このような形で第1部は幕を閉じました。

デンジに抱きしめられたナユタがどのように育っているのか?

「支配の悪魔」は支配以外の対等な関係性を築けるようになっているのか?

これは、現在連載中の第2部の見どころの1つでもありますね!

 

チェンソーマンのテーマは「家族」だということが分かる

こうしてみると、チェンソーマンのテーマは「家族」であるということが分かります。

親からの愛情を受けずに育ち、親殺しをした少年デンジ。

偽りの母親から与えられた環境の中でも、本当の家族の絆を築けたデンジ。

そして最後にデンジは、自分にとっての「母」であったマキマを取り込んだのです。

このようにみると、チェンソーマンの物語は「エディプスコンプレックス」のモデルとなったエディプス王の物語をなぞっていることも分かります。

 

 

 

マキマによって全てを与えられ、そんな彼女によって全てを無くしたデンジは最後に新たな関係性を、自分なりの形でナユタと一緒に築こうとしていました。

その後、デンジが欲し、築こうとしていた「家族」との関係性はどうなったのか。

チェンソーマンのテーマが「家族」だとするなら、マキマを倒した第2部からが、彼の本当の物語が始まると言っても過言ではないかもしれません。

この視点からみると、今後の連載の展開にも目が離せませんね!

 

 

【チェンソーマン】デンジとマキマの関係性まとめ

 

まとめ
  • デンジはマキマに母性を求めていた
  • 幼い頃に母親を亡くし、父親の愛情も受けなかったことが要因
  • マキマの名前の由来は「ママ」
  • チェンソーでマキマの「キ」を切ると「ママ」になる
  • デンジは恋愛感情ではなく家族の愛情を求めていた
  • マキマは支配以外の対等な関係性を求めていた

 

いかがでしたでしょうか?

ブラックな世界観やアクションシーン、デンジの破天荒ぶりが面白い【チェンソーマン】です

「家族」がテーマだと考えると、また違った見方や楽しみ方ができますよね^ ^

 

 

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