2024年10月からいよいよアニメ放送を開始した「チ。ー地球の運動についてー」。
当時「異端」とされた地動説をめぐる人間ドラマが見どころの作品です、が……!
「異端」を弾圧する「教会」の意向により、幾人ものキャラクターがその命を落としてしまいます。
今回は、そんな「チ。」で死亡したキャラクターをまとめてみました!
※この記事には重大なネタバレが含まれます。ご注意ください。
目次
死亡キャラはこの人物たち!
『チ。-地球の運動について-』
自分が死ぬ前に読みたい漫画が今日決まりました。
『ONE PIECE』、『Dr.STONE』、『進撃の巨人』に次いで、今までの人生で読んできた漫画の中で5本の指に入れる名作のうちの4作目に決定です。ありがとうございました。#チ球の運動について pic.twitter.com/A7ZmeVQBiH
— yamΔ@$?の弟子 (@ne94ew) September 29, 2024
さて、「チ。」の作中では、何度か時間軸が変わるため、大抵の登場人物はみんな死にます。ジョジョの6部以前と7部以後みたいなもんですね
なので、今回取り上げるのはあくまでも「作中で明確に死亡シーンが描かれたネームドキャラクター」のみです。
何卒よろしくお願いします!
- ラファウ
- フベルト
- オグジー
- グラス
- ピャスト
- バデーニ
- ヨレンタ
- フライ
- レヴァンドロフスキ
- シュミット
- アントニ司教
- ドゥラカ
- ノヴァク
読者・視聴者の皆さんもご存じの通り、、、
「チ。」の舞台は「P王国」、地動説を異端とする巨大な組織は「C教」として描かれます。
そんな中、EXでは突然「P王国」が「ポーランド王国」と描かれます。
事実、ラファウやポトツキなどはポーランド語の名前(※オグジーなど一部例外あり)であり、C教の正体は言わずもがな……ですが。
あくまでこの作品はフィクションであり、史実や実際の国・団体とは関係がないということを、一ファンの立場ではありますが改めてお伝えできればと存じます。
「チ。」では作中で、天動説を唱えた史実の人物であるプトレマイオスや、哲学者であるソクラテスなどの名前も登場します。
だからといって、それらを教養として知るラファウやフベルトたちに、史実のモデルがいるわけではありません。
重ねて言いますが、あくまで「チ。」という作品はフィクションなのです。
第1章
ここからは死亡キャラを各章に分けていきますが、いきなり第1章から怒涛の展開です。
ぜひ、ご覧ください↓↓
ラファウ
「チ。」を出てる分全部読んだ。2話まで無料公開してたやつ。いや凄いね、1巻でこの密度。非凡な知性故に禁忌である地動説に真理を見出して惹かれてしまうラファウくん、2話からこの先どうなるのか、と読んでたら1巻の終わりには本に対して前のめりになること請け合い。 pic.twitter.com/lGWQT7K8JG
— ピンフスキー (@hideyosino) June 20, 2021
死因:服毒自殺
死亡シーン:1巻4話
トップバッターはラファウ。
世渡り上手なクソガキで、しかし間違いなく聡い少年ですね。
主人公だよな?という感じの12歳の少年ですが、死にます。
ラファウは、養父・ポトツキによって異端審問官に密告された際、「地動説を研究することを諦め、研究資料を燃やせば拷問されることなくすぐ釈放される」と、ちゃんとわかっていながら、それでもなお「僕は地動説を信じてます」と改心を突っぱねるます。
そして拷問前夜、隠し持っていたケシの実と毒物を混ぜたワインを飲み、苦痛を味わうことなく死亡しました。
これには歴戦の異端審問官・ノヴァクも唖然とするほど。
それもそのはず、彼らの信じるC教では、あるいは「自殺」は地動説よりも禁忌だったのです。
その後、ラファウの死体は磔にされたあと火にかけられ、見せしめにされます。
ノヴァクによる、せめてもの意趣返しだったのかもしれません。
ラファウが主人公だと思っていた読者・視聴者は、ラファウの死に動揺することになるでしょう。
でも、ラファウの遺したものを受け継ぐ別の主人公がどんどん現れる、それが「チ。」なんですね。
フベルト
チ。の1話のフベルトさんの「やり残したことがあるから戻ってきた」の後に「そのためなら火にだって飛び込む」って、この時点でもう地動説を信じる人間がいたら自主するつもりだったんじゃないの? pic.twitter.com/ZILeQ7dvcy
— なむはと (@hatomugi_026) October 6, 2024
死因:生きたままの火あぶり
死亡シーン:1巻2話
フベルトは、ラファウに地動説を教えた「異端」です。
「異端」は2度捕まると絶対死刑という制度のもと、1度目の逮捕時に凄惨な拷問を受けましたが、それでもフベルトは地動説を諦めませんでした。
そしてラファウになら自分の研究を託せると感じたフベルトは、異端審問官の尋問からラファウを庇い、自ら2度目の連行をされます。
その結果、制度どおり、生きたまま火あぶりの刑(死刑)に処されました。
しかし連行の直前、フベルトはラファウに、木製の球がついたペンダントを託します。
このペンダントこそ、フベルトが人生をかけて編み出した「地動説の研究資料」を隠した場所の、道しるべでした。
この研究資料はラファウに発破をかけ、以後、ラファウは順風満帆な人生を手放し、地動説に傾倒していくことになります。
第2章
ラファウが死んだ後も、「チ」は受け継がれます。
以下では、2章で死んだキャラクターの死因について触れていますので、ネタバレにご注意ください。
オグジー
私はラファウ君よりオクジー君のほうが好きだよ pic.twitter.com/sGLIGezyMy
— アルミ缶ぴこ (@arumiblog) October 6, 2024
死因:絞首刑
死亡シーン:5巻32話
ラファウの死から10年後、物語の視点人物はオグジーに移ります。
第1話冒頭、ノヴァクに「苦痛の梨」で拷問されている男がオグジーですね。
ラファウが死に、地動説の研究もここまでか、と思っていた読者は、ひょんなことからその研究を受け継ぐ第2部の主人公・オグジーにびっくりするでしょう。
そして、1話冒頭を思い出し、「拷問にかけられたということは、異端審問官に目をつけられたということ。つまり、こいつも死ぬんや……」と絶望するのではないでしょうか。
はい、オグジーも死にます。
地動説の研究をしていることがバレて、最終的に5巻で絞首刑に処されます。
――しかしラファウのときもそうですが、「チ。」では死そのものよりも、死に瀕したときになにを遺せるか、が大切なのです。
生きた証を遺すことこそが、かつて自分が生きた証明になるのです。
ラファウの遺した「箱」を見つけてからのオグジーは、それまで抱いていた「穢れたこの世への諦観と絶望」や「早く天国に行きたい」という希死念慮を捨て、どんどん人間的な成長していきます。
文字を学び、本を書き、あれほど恐れていた夜空を「美しい」と感じるまでになる……
その様を是非、ご覧いただきたいですね。
グラス
チ。がアニメ化して話題ですが、私のおすすめはグラスさんです。
家族を失った後、なんとか世界に希望を見出そうと足搔き、オグジーを焚きつけ、バデーニさんと引き合わせた男の生きざま、ぜひアニメでも見てほしい! pic.twitter.com/eorwJWxXDE— はにはに (@hanb474257) October 10, 2024
死因:橋からの転落死
死亡シーン:2巻9話
グラスさんは、「穢れたこの世」に対してすっかり諦めているオグジーに、「火星の観測記録」という「この世の希望」を教えた先輩ですね。
このグラスさん、そして名もなき「異端者」によって、オグジーはフベルト・ラファウの遺した「箱」、つまり地動説の存在を知ることになります。
あと、グラスさんが「箱」の中身を見て、即「自分には手に負えない」と判断するのもファインプレーでした。オグジーとバデーニを引き合わせたのもグラスさんなので、2章の立役者と言っても過言ではないかもしれません。
そんなグラスさんの死因は、渡っていた橋の崩壊による転落死です。
橋の崩壊した位置、そしてオグジーほどの身体能力がグラスさんになかったことが彼の死を決定づけてしまいます。
しかし、その間際に、グラスさんはオグジーに「木製の球のネックレス」と「火星の観測記録を記した本」、そして「希望」を託しました。
家族を失い、気が触れたと代闘士らには揶揄されていたグラスさんですが、彼の存在と死によって、オグジーは少しずつ、そしてはっきりと、変わっていくことになるんですね。
ピャスト伯
死因:老衰(病死?)
死亡シーン:3巻21話
宇宙論の大家、ピャスト伯。
地動説とは決して相いれない、「完璧な天動説」の証明に人生をささげている貴族です。
登場時点でかなりの高齢であり、咳き込み、喀血する描写が多く見られました。
肺か臓腑を病んでいたのかもしれませんね。
女という性別が軽んじられていた当時のP国で、女性であるヨレンタの才覚を正当に評価しています。
ピャスト伯が「真理」を見つける為なら手段を選ばないからです。
しかし、「満ちた金星」という地動説の根拠を知らされて、天動説=「人生を懸けた研究」が否定され、泣き崩れるという一幕もありました。
最期は、「真理」=「地動説」を受け入れて手元の日記に地動説由来の天体の軌跡を記した直後、激しい咳に襲われ転倒、そのまま起き上がることなく亡くなります。
満天の星に満ちた金星を見つけ、先に逝った「教授」に手を伸ばすかのようにして。
ピャスト伯の遺した研究は、そしてつかの間見せた慟哭は、オグジーの意識を変化させていきます。
……ちなみにピャスト伯が最後に書いた日記は死の間際に紛失してしまうのですが、その本は意外なところにつながっていき……ます……。
教授
死因:老衰(病死?)
死亡シーン:3巻19話
教授はピャスト伯の遠縁の親戚であり、師であり、恩人です。
本名は作中で明かされていませんが、天文のための道具に惜しみなく金を費やしたあたり、相当な権力者だったことがうかがえますね。
ただ、彼だけでは研究を完成させることはできず、老衰(咳き込む描写があったので病気の可能性も?)によって死亡。
死の間際にピャスト伯に「いつか天国で(君が見つけた)真理を聞かせてくれ」と言い残して逝きます。
「教授」の研究を引き継ぎ、「教授」の人生が無駄ではなかったと証明するためにピャスト伯は奔走していました。
バデーニ
俺の愛しのバデーニさんは出るかな!?
出るよな!!? pic.twitter.com/rCeMhOG6uU— 🌊🐟🌊 Ça vaの塩辛🐟🐟🔪 (@sabamiso103) July 25, 2024
死因:絞首刑
死亡シーン:5巻32話
みんな大好き、眼帯イケメン金髪トンスラ(多分)合理的シニカル蓮っ葉スカーフェイスな「慎重な知性と時に大胆な知性を持ち合わせた完璧な英傑」こと、神職者のバデーニさん。
彼も死にます。
非常に残念ですが、死にます!
バデーニさんは「素行不良および思想上の禁忌」で田舎に左遷されましたが、それもそのはず、彼の行動理念は「私の人生を特別にする」こと。
つまり、ものすごく傲慢で協調性がありません。自分の優秀さを自覚しているからこそ、他者を足並みを合わせることができなかったのですね。
しかしバデーニさん、そのゴーイングマイウェイさにより、良くも悪くもなかなか煮え切らないオグジーのケツを蹴っ飛ばし、物語を加速させてくれました。読者としては大変助かりましたね。
後述のヨレンタさんを仲間内に引き込んだのもバデーニの功績ですし。マジあの場面でオグジーだけだったら、彼女の協力を仰ぐのにもっと時間がかかっていたでしょうね……。
バデーニさんの死因は、オグジーと同じく異端審問による絞首刑。
バデーニとオグジーにはいろいろありましたが、最期は二人並んで満天の星空の下、死を迎えることになります。
その後、彼らの遺体は火にかけられたそう。
しかしバデーニさんは、「うまくいくかはわからないが」と前置きしつつ、オグジーの書いた本を復元させる「ある仕掛け」をしていました。
ただでは死なない男、バデーニ。
第3章
2章から25年後、「チ。」は3章に突入。
3章では、ルネッサンス3大発明される羅針盤、火薬、そして活版印刷が登場します。
懐かしいキャラクターの再登場や、どんでん返し、そしてあのキャラクターの死など、見どころがたっぷりな最終章です。
そこでの死者をご紹介しますね↓↓
ヨレンタ
チ。5巻
やっと読み終わり2人の結末回だった
どんな行動が誰に繋がるのか、布石の置き方と回収が見事で舌を巻く他ない
最後の引継ぎの仕掛け方、とてもじゃないが自分には思い付かないし予想もしてなかった。何か元になる逸話とかあるのかなあとヨレンタちゃんはかわいいからもっと出番増えてて pic.twitter.com/Acsc31ikeJ
— Shin (@HShin615) September 30, 2021
死因:火薬による自爆
死亡シーン:巻48話
作中きっての聡明な頭脳と大胆な行動力を持つのに、「女性だから」という理由で社会に存在を認められなかった、ヨレンタさんも死にます。
ただし、ヨレンタの場合、実際の死亡時期はオグジーとバデーニの2人とはズレています。
2章でオグジーらと同様、「異端」の容疑をかけられた彼女は歯を抜かれるという拷問に遭うのですが、新人の異端審問官が命がけでヨレンタを逃がすんですね。
それにより生き延びたヨレンタでしたが……オグジーらと出会ったときわずか14歳だった彼女は、25年の月日を経て「異端解放戦線」なる武装組織をまとめる組織長にまで育ちました。
「異端解放戦線」とはその名の通り、捕らえられた「異端」を開放している組織です。
父が異端審問官であったことを知らされず、父の手によってオグジー、バデーニという友人を失った彼女にとって、「異端」=「地動説」は人生を懸けて守るべきものになったのですね。
最期は、オグジーが執筆し、バデーニが繋いだ「本」を守るため、騎士団にバレた印刷所ごと火薬で自爆します。
そしてその現場には、異端審問官を引退していたノヴァクの姿も……。
ヨレンタさんの、火薬に火をつけるための松明を持つ手が、一瞬、一瞬だけ躊躇ったことを見るに、きっとヨレンタは父の姿に気づいていたのでしょうね。
シュミット
チ。のシュミット隊長、現代日本は割と暮らしやすいと思うけど、たぶん彼はこの時代・この宗教観だからこそ輝いたキャラ。 pic.twitter.com/kMNMVffMkl
— はにはに (@hanb474257) October 11, 2024
死因:ノヴァクにより刃物で喉を貫かれ、自らの血液で溺死
死亡シーン:8巻53話
シュミットは「異端解放戦線」の隊長を務める、ヒゲが特徴的な偉丈夫です。
2章までに登場したどのキャラクターとも異なり、「C教の神を絶対的に信じているが、神は”人工物”には宿らないので、神を人工化しているすべての宗教を破壊したい」という、尖りまくった思想の持ち主。
3章の冒頭から、長々しくも独自の美学に基づいた理論を語り、彼を尋問する騎士団を困惑させるシーンが見られますね。
まあ、現代の価値観で言えば、自然主義を自称するテロリストです。
自分の主張を通すために暴力を使っているので。
最期は、フライの裏切りによって騎士団に印刷所を襲撃された際、ドゥラカを逃がすためにノヴァクを含めた騎士団と戦い、数の差により敗北。
ノヴァクに喉を刺し貫かれたことが致命傷となり、「これが私の選んだ運命だ」と笑って逝きます。
それまで「運命は神が定めたもの、それに従うことに何の不満もない」と言っていたシュミットは、ドゥラカとの出会いにより、これまでと違った価値観を得るまでになったのですね。
フライ
死因:シュミットによる刺殺
死亡シーン:7巻51話
フライは「異端解放戦線」で火薬調合を担当する隊員……でしたが、実際はC教の騎士団のスパイでした。
3章に入った際、C教が正統派と分派とで内紛を起こしているということが描写されたのですが、その信者同士の諍いの末に殺された家族、その唯一の生き残りの少年がフライだったようです。
その幼いころの体験からC教正統派に盾突く「異端」や異教が許せず、「異端解放戦線」に最もダメージを与えられるタイミングをうかがっていたのでしょう。
このフライの行動が、組織長の悲願であった「オグジーが書いた、地動説についての本を活版印刷で世に流通させること」を阻む遠因となったので、フライは見事、自身の本懐を遂げたことになります。
最期は、裏切りを知ったシュミットにより粛清されました。
レヴァンドロフスキ
死因:ドゥラカを逃がすための抗戦により戦死(?)
死亡シーン:8巻58話
レヴァンドロフスキは、「異端解放戦線」の隊員の1人です。
ひょんなことから「異端解放戦線」と行動することになったドゥラカにとっては、あるいはレヴァンドロフスキが一番接しやすい存在だったかもしれません。
まあ……シュミット(テロリスト)やフライ(スパイ)と比べたらね……
そんなレヴァンドロフスキには、10歳で死んだ妹がいました。
その妹が死の間際に投げかけた「私はなんのために生まれたの?」の問いに、「神のためだ」と答えられなかったことを悔いて、現在のC教を改革するために「異端解放戦線」に入隊したそう。
最期は作中で直接描かれてはいませんが、騎士団に強襲される印刷所からドゥラカを逃がすために戦死したものと思われます。
アントニ司教
アントニ司教による大どんでん返し、アントニ司教じゃないと言えない言葉だが、お前……お前……!感も否めない!!!! pic.twitter.com/megzrF7fSz
— はにはに (@hanb474257) October 11, 2024
死因:ノヴァクに喉を掻き切られた
死亡シーン:8巻55話
アントニ司教は、2章でヨレンタさんを拷問したクソ司教です。
さらに、ヨレンタさんを逃がした新人異端審問官を火あぶりにし、その死体を「これはヨレンタだ。残念だがノヴァクくん、君の娘は『異端』だったし、その結果死んだ」としゃあしゃあと告げたクソ司教です。
アントニ司教、ノヴァクがずっと目障りで、彼を教団から排斥するためにそんな蛮行をしたんですが……25年後にノヴァクと再会したときは、そんなことすら忘れてそうでしたね。
最期は、ノヴァクによって刺殺されます。ノヴァクに自覚はなかったかもしれませんが、一種のかたき討ちとなったのでしょう。
――ですが。
「君らは歴史の登場人物じゃない」。
このひとの台詞により、これまで「チ。」で描かれていた価値観がひっくり返ることになります……!
ドゥラカ
私のお金に対する価値観はドゥラカちゃんと同じ。 pic.twitter.com/3UsKQFKFp7
— こおもてちゃん (@sazae_tabetai) April 1, 2022
死因:ノヴァクに腰を刺され、出血死
死亡シーン:8巻58話
1章のラファウ、2章のオグジーとバデーニと並ぶ、3章の主人公的存在、それがドゥラカです。
「不安をなくすために金を稼ぐ」ことを信条とした、資本主義の申し子のような、商魂たくましい、浅黒い肌を持つ少女……なのですが。
これまでのどの登場人物とも異なり、C教をはじめ、すべての神を信じていません。
シュミットのように神は自然に宿る、とすら思っていません。
「神はいない」という信念のもと生きているのです。
しかしシュミットら「異端解放戦線」と出会い、その組織長であるヨレンタと対話をすることで、「ヨレンタが命を懸けて世に出そうとした『本』の流通に、自分も協力したい」と心境を変化させます。
あくまで自分が稼ぐことが第一目標。
でも、ヨレンタさんの遺志も継ぎたいと……
その思いでアントニ司教にアポイントメントを取り、出版の約束を取り付けます。が。
その取引現場に現れたノヴァクによって、背中(腰)を刺されてしまうんですね。
傷が致命傷であることを理解したドゥラカは、「出版によって金を稼ぐ」ことも諦めざるを得ないと理解しました。
しかし! だから無念の中で死んでいったかというと、そんなことはなかったのです。
……ドゥラカは「父親が死んだ朝を連想させるから」と、ずっと朝日を直視することができませんでした。
が、自然主義者のシュミットと行動を共にするようになって、心境に変化があったのでしょう。
最期は朝日の中、笑顔で生きました。
ノヴァク
「チ。」のノヴァク、もし今もご存命だったら故・藤原啓治さんに担当して欲しかった。というか原作読んでる時ずっとノヴァクの台詞は全部藤原さんの声で脳内再生してた。
あの飄々としていながらも要所要所で見せる冷酷な一面(とその根底にある人間味)を見せるキャラクター像にバッチリハマった筈…。 pic.twitter.com/hPRN0FGmL2
— Gunshop-Omizu(アパラチアの武器商人おみず、臨時休業) (@Gunshop_Omizu) September 20, 2024
死因:ドゥラカの反撃による刺殺
死亡シーン:8巻57話
EXを除いた1章~3章、そのすべての章に登場した唯一の人物、それがノヴァクです。
ノヴァクといえば、異端審問官として数多くの「異端」と接し、心無い拷問を繰り返す「悪役」でした。
しかし3章で、ノヴァクがラファウやオグジーのような「異端」の名前のひとつひとつ、彼らの存在を、ずっと覚えていたということが明かされます。
また、作者の魚豊さんや、アニメでノヴァクの声を担当した津田健次郎さん曰く、ノヴァクは「単なる悪役ではない」、「普通の生活者」として描かれていたそうです。
事実、かつて隠れキリシタンに課せられた踏み絵に対して、「踏めば助かるのに……?」と感じる現代の我々の価値観は、ラファウらよりもよっぽどノヴァク寄りのはずなんですよね。
アントニとかいうクソ司教のせいで、2章時点で愛娘のヨレンタを失ったと思っていたノヴァクでしたが……3章で、39歳になった彼女とつかの間の再会をします。
それはヨレンタが自爆を決意した瞬間であり、ノヴァクは「異端解放戦線」のボスを捕えるために馬車を降りた瞬間でした。
2人の視線は交錯し、ほんの一瞬、松明を持つ手にためらいを浮かべたヨレンタでしたが、ヨレンタは信念を貫き自爆。
ノヴァクのもとには、爆発で千切れた彼女の腕が飛んできました。
……ノヴァクはドゥラカとアントニ司教の取引現場である協会に火をつけ、2人を刺殺し、すべてを焼き尽くそうとしていました。
ですが、ドゥラカから反撃にあい、胸を刺されます。
それが致命傷となり、死の間際に、かつて自分が死に追いやったラファウの幻覚を見ます。
そして幻覚であるラファウの助言に従って、懐にしまっていたヨレンタの形見の手袋と――「異端解放戦線」ボスの腕を取り出し。
ヨレンタが「異端解放戦線」のボスであったことから目を逸らさず受け入れ、「娘はどうか、天国へ迎え入れてください」と神に祈りながら逝きました。
その亡骸は、ノヴァクがこれまで「異端」に対してそうしていたように、燃え尽きました。
70%OFFでチ。を安く読む方法
3話(単行本1巻まで)の放送が終わった今1巻の表紙を見て欲しい。
内容もさながらこんなに完璧な第1集はなかなか珍しい。
しかし,どんな状況でも観測することをやめないこのラファウはただただかっこいいな#チ球の運動について pic.twitter.com/ycyLKvKbRq
— チ。-地球の運動について-について(非公式ファンアカウント) (@chi_chikyu_) October 12, 2024
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【チ。地球の運動について】死亡キャラや死因まとめ
泣いた
『チ。―地球の運動について―』 pic.twitter.com/Y1ouOfBUNw
— ぱらげ (@pala_ghe) January 2, 2023
- チ。の登場人物は作中での活躍の多寡に関わらず死ぬ
- 遺志は(時に、思ってもみない人物にも)受け継がれる
- どう死んだのかではなく、何を遺したかが大切
以上、「チ。」の死亡キャラについてのまとめでです!
いや~……死んでますね! たくさん!
しかし、人は死んで終わりではないのです。
先人が築いた学問を受け継ぎ、自分が気付いた発見を次代につなげる。
誰一人としてその死は無駄ではなく、もちろん、その生も無駄ではなかったということが、この記事を書きながら改めて理解できました。
「チ。」についてはまだまだ書きたい記事があるので、是非そちらもチェックしていただけると嬉しいです♪
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