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【聲の形】タイトルの意味は?作者が伝えたいことを結末のシーンから考察

公開日: 2020年7月27日 | 最終更新日: 2020年8月24日

 

【聲の形】は、多くのテーマを持つ作品です!

いじめ」「障害」「自殺」「コミュニケーション」「トラウマ」など、色々なキャラクターがその特性を持ち合わせています。

特に、主人公である石田将也しょうや西宮硝子しょうこの2人は、その特徴を見事に捉えていました!

この作品は、キャラクターを通して何を伝えたかったのでしょうか?

 

今回は、【聲の形】のタイトルについてお話します↓↓

★この記事を見ることで、【聲の形】のタイトルの意味や、作者が伝えたいことの考察・意見を楽しむことができます!

 

 

 

【聲の形】タイトルの意味は?

 

【聲の形】というタイトルは、一見シンプルなように見えます。

しかし、作品を見れば見るほど「内容が深く」感じてくるでしょう。

「声のかたち」や「こえのかたち」など簡単な漢字を使用しないところも、また謎が深まりますよね!

 

ここでは、【聲の形】のタイトルの意味を考察します↓↓

 

【聲】は「声」・「殳」(手)・「耳」という3つの字に分かれる

【聲の形】は、【こえ】という難しい漢字が使用されています!

現代では「声」という漢字が使用されていますが、昔はこちらの【聲】が使用されていました。

 

そして、【聲】には「声」「しゅ」「耳」という3つの漢字に分けることができます!

そして、この「殳」という言葉は「」という意味があります!

作者の大今良時おおいまよしときさんが、この字を使用した理由について、以下の様に応えました↓↓

調べた際にそれぞれ「声と手と耳」が組み合わさってできているという説があることを知ったため。

引用元:ウィキペディア

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%81%B2%E3%81%AE%E5%BD%A2

 

そもそも、「こえ」という言葉をなぜチョイスしたのでしょうか?

そこには作者の思いが詰まっていました。

 

 

タイトル【聲の形】は「気持ちを伝える方法は声だけじゃない」という意味

相手に何かを伝えたい時に、みなさんはどうしますか?

ほとんどの方が、「」を発して伝えると思います。

コミュニケーションを行なう上では、欠かせない方法ですよね!

 

しかし、お互い「声」を発しても意思伝達ができないこともあります。

作者の大今さんは、この作品を作る際に、「コミュニケーションの難しさ」について考えていました↓↓

「人と人が互いに気持ちを伝えることの難しさ」の答えを作者自身が見つけ出せなかったため、「読者に意見を聞いてみたい」という気持ちで描いたという。

「気持ちを伝える方法は声だけじゃない」という意味を込めて「聲」にした。

引用元:ウィキペディア

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%81%B2%E3%81%AE%E5%BD%A2

 

どうすれば相手に伝わるのか?」「ただ意見を言うだけで良いのか?」など、考えた結果【聲の形】というタイトルに決定しました。

なので、【聲の形】のタイトルには「気持ちを伝える方法は声だけじゃない」という意味を持ちます!

作者の苦悩や関心が乗せられて、このタイトルとなったのですね!

もう、このエピソードだけでも満足したいぐらいです^ ^

 

 

作者が伝えたいことを結末のシーンから考察

 

先ほどは、【聲の形】のタイトルの意味について解説しました。

その意味は理解できましたが、さらに作者の深い想いを知りたいですよね!

ここでは、【聲の形】という作品を通して、作者が本当に伝えたいことを考察します↓↓

 

映画のラスト結末シーンでは石田がトラウマを克服し大号泣する

アニメ映画のクライマックスシーンは、高校の文化祭でした。

石田は、過去に西宮をいじめたことがきっかけで、孤立し全く楽しくない学校生活を送っていました。

時間、友達など、お金など全てを犠牲にして生活を送ります。

 

トラウマを抱えながら生きているせいで、周囲の人間に興味を持たず、逆にを作ってコミュニケーションを避けていました。

しかし、西宮や友達と過ごすうちに「もう逃げることはやめよう」と考えます。

 

そして、文化祭当日に「自らの五感を利用」して周囲に関心を示そうとしました!

相手の目を見て、相手の声に耳を傾けて、目の前にある壁を破壊します!

すると、これまで暗かった世界が眩しいほどに明るくなり、美しい光景が広がります!

石田は、あまりにも綺麗な世界に大号泣しました!

 

それまでの石田は、自分が楽になるために壁を作り、トラウマを抱えながら殻に閉じこもっていました。

しかし、自分だけが「暗い」と感じていただけで、本当は綺麗な世界が最初から広がっていたのです!

石田が、トラウマを克服する瞬間でした!

 

 

声を出せる石田と耳が不自由な西宮の苦悩の物語

上記では、石田が抱えてきたトラウマについてお話しました。

 

逆に、西宮は「耳が聞こえない」という理由で、小学生時代にいじめられます。

しかし、自分がいじめられる分は、あまり気にしない元々強い精神力を持つ少女でした!

そんな西宮が、1度自殺に追い込まれたシーンがありました。

 

自分の存在が周囲の人間を不幸にしている」という、心優しい西宮らしい理由です。

しかし、石田とのコミュニケーションによって、それが間違いだったと気付かされます。

自分のことではなく、相手のことを1番に考えてしまう西宮もまた、コミュニケーション不足でした。

 

この石田と西宮、2人の関係性は苦悩に満ち溢れています。

●声を出せるのに、殻に閉じこもりコミュニケーションを取ろうとしない石田

コミュニケーションを取りたいのに、相手に上手く伝えられない「西宮

 

そして、この2人が【聲の形】の主人公だということも、興味深い設定ですよね!

 

「声」という伝達手段があっても喧嘩・自殺などが絶えない世界へのメッセージ

【聲の形】の物語の中では、「」に関するエピソードが2度登場します。

それも、先ほどの「石田」と「西宮」です。

 

石田は、過去のトラウマから周囲の人との間に「」を作りました。

誰ともコミュニケーションが取れなくなり、つまらない世界で生きていくことに疲れ「自殺」を図ろうとしました。

結果的には母親に止められ、生きていく約束をします。

 

西宮の場合も、上記でお話した通りです。

自分の存在が、家族や友達に迷惑をかけている」と思い込んで、「自殺」をしようとしました。

 

この、2人の行動は映画内だけの「悩み」ではないような気がしてなりません。

現代社会にも、同様の悩みを抱えながら生きている人は多いと感じます。

「相手に伝え、相手の話を聞く」

シンプルに見えるようで、これが1番難しいのです!

 

コミュ力」や「コミュ症」という言葉もあるように、コミュニケーション能力にも個人差があります。

相手に伝える「声」があったとしても、「喧嘩」や「自殺」が絶えない世界へのメッセージのようにも捉えることができました。

 

気持ちを伝えるには「声」「手話」だけでは届かず「心から相手の意見を聞く」=「聲」が重要だと考察

上記でコミュニケーションを取る難しさについて、お話しました。

では、一体どうすれば良いのでしょうか?

その答えは、石田と西宮が見せてくれていました。

 

石田は、普通に「声」を出して話ができる相手とは、上手な関係性を築くことができませんでした。

しかし、聴覚障害を持つ西宮の気持ちは充分理解していました。

 

逆に西宮は、仲良くなりたい相手がいましたが、上手く伝えることができずにいじめられます。

しかし、声が届くことのない石田にはしっかり気持ちが届いていました。

 

この状況から、ただうわべだけで「声」を発しても、上手くコミュニケーションが取れないことが分かります。

なぜ、石田と西宮がうまくコミュニケーションを取れないながらも、理解し合えたのかというと「から気持ちを通わせたい」と思ったからです!

石田がクライマックスで大号泣した文化祭のシーンが、「心から相手に関心を持て」と全てを物語っています。

 

ここで、冒頭でお話したタイトル【聲の形】に戻りますが、「の形」ではダメなのです!

「声」、「殳」(手)、「耳」の全てを駆使することこそ、相手に伝わるのです↓↓

を発して

身振り手振りをして(手話をする)

相手の話にを傾けながら

相手の気持ちを考える(心)

=【こえ

 

の形」は、このようにして【聲】となり、本当のコミュニケーションを取ることができるのだと考察しました!

 

【聲の形】タイトルについてまとめ

 

まとめ

●【聲の形】のタイトルには、「気持ちを伝える方法は声だけじゃない」という意味が込められている

●【聲】という字は、「」・「」()・「」という3つに分けることができる

●世界には、コミュニケーションに悩んで追い詰められ、「喧嘩」「自殺」に発展するケースがあることを知らせるメッセージでもある

●作者は「声」ではなく、「五感や心を駆使」して「」で相手に接することこそ、本当のコミュニケーションだと伝えたかったと考察

 

作者である、大今さんの考えを交えながらオリジナル意見として考察しました。

実際は、石田・西宮だけではなく、登場人物のほとんどがコミュニケーション不足です。

言いたいことだけ言う」「相手の気持ちを考えようとしない」「嫌なことから逃げ出す」など、人間本来の魅力を持つキャラが多くいました!

 

そして、これは私たちにも当てはまる内容であり、反面教師にしなくてはならない部分です!

【聲の形】は、「人間」というモノをうまく表現している素晴らしい作品でした。

このような目線で、何度も見てみると新たな発見があり、面白いです^ ^

 

 

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