ひかるが死んだ夏-光の正体や死因は?山に行った理由は?

公開日: 2023年3月30日 | 最終更新日: 2023年8月7日

 

2022年に注目を浴びた漫画である【光が死んだ夏】

鮮やかで爽やかな水色の表紙とは裏腹に、不穏でホラーな雰囲気に満ちた作品です。

田舎の男子高校生2人を中心とした青春漫画と思いきや、冒頭数ページで明らかになる「光」という少年の形をした未知のナニカ

そのナニカが現れてから、よしきが住む町では、不審死や妙な出来事が起こるようになります。

 

物語はまだまだ続いていますが、この記事では、ヒカルの正体や死因死ぬ前に山に行った理由について考察してみたいと思います!

「光はなぜ死んだのか?」

「光の正体とは一体何者なのか?」

 

ここからは、生きていた頃の少年を光、その光の体にナニカが乗り移った後の存在をヒカルと明記いたします。

この記事を見て分かること
  • 光の「正体」や「死因」について
  • 光が「山に行った理由」の考察

 

 

 

光の正体や死因は?

 

【光が死んだ夏】は、よしきが一緒にいるヒカルが、本当の光ではなく「別のナニカ」であることが明らかになるところから始まります。

ヒカルとして登場する少年は本作が始まった時点ですでに死んでおり、その体にナニカが乗り移って動いている状態です。

まずここでは、このナニカの正体について考察した上で、本物の光がなぜ死んでしまったのかを考えてみましょう!

 

正体① ヒカルの正体は「ウヌキ様」

この記事では、まずヒカルの正体は「ウヌキ様」「ノウヌキ様」であると考えます。

「ノウヌキ様」とは、原作漫画1巻の2話で、松浦というおばあさんがヒカルを見て呼んだ名前でした。

どうやら山に住んでいる神様か、化け物のことのようで、松浦さんはヒカルを見て、「なんでやあ 「ノウヌキ様」が下りてきとるやないかあ〜〜」と叫んだのです。

ヒカルが近づくと、「来るなァ!」と怯えていた松浦さんは、その夜、何者かによって殺され、翌日死体で発見されることとなりました。

ヒカルが松浦さんを殺したのかどうかは分かりませんが、ヒカルはもともと山にいたモノであり、それは「ノウヌキ様」と呼ばれている存在なのだと考えられます。

 

この「ノウヌキ様」は、光の一族である忌堂家の者からは「ウヌキ様」と呼ばれているものと同じモノだと思われます。

田舎では、1つの神様や化物の名前が訛ってしまい、いろんな呼び方で呼ばれてしまうことがあるため、このように松浦さんと忌堂家の間で呼び方が違っているのでしょう。

 

光の父親は、「ウヌキ様」のことを大事な人を連れて行ってしまう存在であると、幼い光に話していました。

寂しがり屋の「ウヌキ様」は、忌堂家の人との約束で、忌堂の人間は連れて行きませんが、この家の人間にとって一番大事な人を代わりに連れて行ってしまうのだそうです。

だからこそ、好きな人ができれば「早めに結婚せえよ」と、父親は光に警告したのでした。

ヒカルが「連れていかんでももうずっとそばに居れるんや」と、よしきを取られないようにと思っている場面が描かれたため、彼が「ウヌキ様」であることは間違いないでしょう。

 

 

正体② 原形を持たない怪物のような外見

 

では、光のふりをしている「ウヌキ様」とは、具体的にどのような存在なのでしょうか?

作中では、少年の姿で、天真爛漫でバカっぽい性格なヒカル。

ですが、よしきに正体を見破られた時は、皮膚が溶けて、その中身が現れてしまっていました。

その外見は、原型を持たないどろりとした怪物のようなもの。

 

原作漫画1巻の4話で、よしきに自分の体の中を触らせているシーンからも、人間の姿は皮のようなもので、中に本体があると考えられます。

そしてその怪物のような本体は、原作漫画1巻の最後で描かれたように、少年1人の中に収まりきれないほど大きなもののようです。

原型を持たず、大きさも計り知れないこの得体の知れない姿からは、不穏な雰囲気を感じますね。

 

正体③ よしきのことだけ大事にする

 

ヒカルの姿、そして松浦さんのヒカルへの反応を見ると、彼がなぜ「光」という人間の少年として生活しているのか、疑問に思いますよね。

明らかに人間とは異なる存在であるにもかかわらず、彼がよしきと一緒に学生生活を送る理由は、全てよしきにあると言っても過言ではありません。

原作漫画1巻1話で、ヒカルはよしきに正体を見破られた際、「身体も人格も借り物やけど、お前のこと大好きやねん…」と、よしきを抱きしめながら口止めするのです。

よしきの側にいることが楽しく、よしきのことを好きになっているため、一緒にいようとしているのですね。

 

だからなのか、ヒカルはよしきのことだけは大事にしようとしています

よしきが山にいるナニカに「くっつかれた」時は、「おれ以外のこと見やんといて」と、よしきを守ろうとしていました。

ヒカルが、忌堂家の人間の大事な人を連れて行ってしまう「ウヌキ様」であり、現在の人格が死んだ光のものであるのならば、よしきに執着するのは、本当の光がよしきを好きだったということなのでしょうね。

おそらく、死んだ光のよしきへの思いが「ウヌキ様」であるヒカルが、よしきに執着して大事にしようとする根源になっているのだと思われます。

 

 

死因は転落による事故死

 

では、本物の光が死んでしまったのは、一体なぜなのでしょうか?

ヒカルが光に乗り移ってしまったのだとすれば、光は「ウヌキ様」に殺されたと推測した方もいらっしゃったかもしれません。

かくいう私も、原作漫画を読んでいる間ずっと「光は殺されたのでは?」と考えていました。

 

しかし、原作漫画2巻の10話でその推測は裏切られました!

10話で、光の死に際「ウヌキ様」と接触した時の場面が描かれたのです。

その場面から、光は山の中で足を滑らせて滑落したための事故死であったことが明らかになりました。

 

どうやら、女体のような形の木に気を取られていたところ、足を滑らせてしまったようで……。

本人も「何なん?おれの死に方……シンプルにアホや……」と今際の際で思うほどでした。

「殺されたのでは……」と複雑に推理していたこともバカらしくなるほど、シンプルな死因でしたね!

 

ダークな雰囲気一色の作品であれば、この事故死もミスリードである可能性もありますが、この作品は不穏な雰囲気と軽薄さのあるギャグが同居する緩急の強い作品です。

おそらく光の死も、描かれている通り単純に事故死である可能性が高いでしょう。

少年の死という重い場面を、女体のような木に「うわエッロ!」と気を取られてしまったという軽薄な理由によるものとして描くことで、重くなりすぎないようにバランスが取られていると考えられます。

 

ヒカルが忌堂光を見つけた時にはすでに死にかけていた

ヒカルが光を殺したのではないということは、原作漫画2巻10話で描かれたように、光の死に際に「ウヌキ様」が現れたことが描かれたことからも推測できます。

ヒカルが見つけた時には、もう光は助からない状態であったのだろうと考えられます。

9話でも、よしきが光の死体を見つけたとき、すでにヒカルが体に乗り移っていたことが言及されました。

その時のことを、ヒカルは「多分そん時は「もう」こうなっとった」、「体を修復するまで数日かかった気がする」と、曖昧な表現で語っています。

このことからも、ヒカルは人間の体で動けるようになるまでの間のことを、明確に覚えていないようであることがうかがえますね。

 

ヒカルが「ウヌキ様」であるときに殺したのでは、という推測も可能ではありますが、描かれ方からしても、光の死と「ウヌキ様」には直接的な関係はないと思います。

光の記憶の通り、光の死に際に、ヒカルは彼を見つけたのではないでしょうか?

 

 

山に行った理由は?

 

ヒカルの正体や、光の死因について考察してみましたが、次に光が山に行った理由について考えてみたいと思います!

まだ高校生である少年の光が、1人で山に入るというのは、少し不用心な気がしませんか?

なぜ彼は1人で山に入ってしまったのでしょうか?

 

考察① 光の父親など忌堂家の家訓が関係

 

まず最初の考察として考えられるのは、忌堂家の家訓です。

作中ではまだ詳しく描かれていませんが、忌堂家は昔から、「ウヌキ様」と関係が深い一族のようです。

それは、光の父親が明かした「ウヌキ様」との約束からも分かりますね。

 

さらに、原作漫画2巻9話で登場した村の人たちの会話からは、忌堂家の一族が「ウヌキ様」を山に閉じ込める役割を負っていたこと、そしてそれに「儀式」が必要であったことが明かされました。

光自身も、死に際に「忌堂の役目ちゃんと果たせんかったかも」と思っていることからも、彼が山に入った理由として、忌堂の役割、つまりその家訓が関係していると考えられます。

 

考察② 好きな人のよしきを連れて行かせないための身代わり?

 

もう1つの考察として、光が好きだったよしきのためであったという可能性も考えられます。

というのも、「ウヌキ様」は忌堂家の人間の大事な人を連れて行ってしまう存在だからです。

それを避けるためには、大事な人とは結婚して、その人を忌堂家の一員にしてしまうしか方法がありません。

 

ですが、光とよしきは同じ男性同士

2巻で同性愛者が村で差別されたことが描かれていたため、光もよしきへの想いは公にすることはできなかっただろうと思われます。

おそらく、よしき自身へ好意を示さなかったのも、村の人たちの目からよしきや自分を守るためだったのではないでしょうか?

 

ただ、それでは周囲の人の目からよしきを守れたとしても「ウヌキ様」からは守ることができません。

そのため光はよしきを助けるために、何らかの方法を見つけて「ウヌキ様」のいる山に入ったのではないかと考えられるのです。

 

考察③光の父親の死が関係している

3つ目に考えられる可能性として、光の父親の死が何か関係しているのではないかと考えられます。

というのも、光の他に死んだ人間にナニカが乗り移って、帰ってきたことが以前にもあったことが描かれているからです。

 

それは原作漫画1巻の6話で登場する、暮林理恵という女性が体験したことでした。

彼女と彼女の息子のもとに、死んだ夫が帰ってきたというのです。

夫が「何でもいいから」一緒にいたかったという女性ですが、そのナニカとの生活は、結局彼女の息子の身体に一生の傷を残す結果となってしまったようです。

彼女の語り口からして、つい最近の話ではなく、昔の話であることが伺えますね。

 

女性は、「ウヌキ様」がヒカルとして山から降りてきたことが原因で、町がおかしくなってきていると考えていますが、そもそも、この女性のもとに死人が帰ってきた時点から、「ウヌキ様」に異変が起こっていたのではないでしょうか?

光の父親が死んだ年は明らかになっていませんが、光が3〜5歳ごろはまだ存命であったことは確かです。

おそらく10年の間に死んだと思われますが、女性の夫が帰ってきたのも、女性や息子の年齢からしても5〜10年前だろうと推測できます。

 

ならば、光の父親が死んでから、「ウヌキ様」を閉じ込める忌堂家の役目が果たせなくなってきていたと考えられはしないでしょうか?

そのために、女性のもとに死人である夫が帰るという状況、つまり、「ウヌキ様」が女性の夫として山から降りるということが一度起こってしまったとも推測できるのです。

光はそれに気づき、後継である自分が父親の代わりに役目を果たそうと、山に入ったのではないでしょうか?

 

【光が死んだ夏】ひかるの正体や死因についてまとめ

 

光の正体や死因、山に入った理由まとめ

ヒカルの正体

  • 山にいる「ウヌキ様」という存在
  • 原型を持たない怪物のような姿をしている
  • よしきに好意を持ち、よしきだけを大事にしている

 

光の死因

  • 山に入った際に滑落した事故死
  • ヒカル=「ウヌキ様」は光の死に関係していない

 

光が山に入った理由

  • 「ウヌキ様」を閉じ込める忌堂家の家訓のため
  • よしきが「ウヌキ様」に連れて行かれないようにするため
  • 父親が死んだことで忌堂家の役割が果たせなくなってきたことに気づいたため

 

以上、ヒカルの正体と、光の死因、そして光が山に入った理由について考察でした!

いかがでしたでしょうか?

まだまだ話は続いている【光が死んだ夏】。

今後、ヒカルの正体がもっと明らかになるのが楽しみですね^ ^