千と千尋-タイトルの意味は？伝えたいメッセージを考察　

物語のストーリーもさることながら、タイトルにもインパクトのある「千と千尋の神隠し」。

不思議な出来事が次々と起こるストーリーから、ファンの間で様々な考察がなされてきました。

映画の公開から20年経った今でも人気は衰えておらず、考察の答えもはっきりと分からないものも多く存在します。

この「謎の多い」という点も、人気のひとつかもしれませんね。

今回は、このインパクトのあるタイトルについて考察していきましょう。

タイトルの意味は？

そもそも『千と千尋の神隠し』ってタイトルが謎だらけ……私の理解力が薄いだけかもしれないが(笑)

— 怜@本日ハンタ一人視聴会 (@rezonanceshayn1) August 3, 2015

数ある謎のうちの1つである、「タイトル」。

一見分かりやすく見えますが、なぜ「千せん」と「千尋ちひろ」の神隠しなのか、ファンの間で議論となっています。

千と千尋の神隠しの英語タイトルはシンプルに「Spirited Away」。

直訳すると「魔法のように連れ去る」となり、「神隠し」を意味している事が分かりますね。

海外の映画タイトルはシンプルに分かりやすいものが多いため、このようなタイトルになったそうです。

なので、神隠しという言葉は理解できるのですが、問題なのは「なぜ同一人物である『千』と『千尋』がタイトルに入っているのか？」という所であり、ファンの間では長年様々な考察がなされてきました。

そして、約20年考察され続けた結果、いくつかの理由が浮かび上がっているのです。

では、以下で1つずつ見ていきましょう↓↓

考察① 同一人物だが「別人」として扱っている

千と千尋始まったーー！＼(^o^)／＞🐢
神隠しを体験する前の千尋の顔、別人みたいなの、今気づいたーー！ pic.twitter.com/ZWNWxf3bSH

— ƓÅMɆ℟Ⱥℨ🐢 (@amisawa2111) January 20, 2017

物語は「千尋」が別世界へ迷い込み、「千」という名前になって元の世界へ戻ろうと奮闘するストーリーです。

「千尋」はどちらかというと消極的で自信のない性格で、不安になると親にくっつくなど少々甘ったれな部分が見え隠れしています。

誰もいないと思われた別世界に灯が灯り、早く逃げなくてはいけない状況になった際も、両親の名を叫ぶだけで何もできませんでした。

対して「千」は自分に親切にしてくれる「ハク」や、豚になってしまった両親を助けようと勇敢に行動し、素晴らしい決断力と行動力を見せます。

特に物語中盤から終盤、ハクを助けようと「油屋あぶらや」を出る決断をするシーン、油屋のトップである「湯婆婆ゆばーば」や皆が恐る化け物「カオナシ」への毅然とした態度を見せるシーンは序盤とは大違いです。

この違いから油屋の先輩である「リン」は、「鈍臭いって言ったけど取り消す」と「千」に伝えています。

また、カオナシに食べられてしまい「千」に助けてもらった油屋の作業員達が「千のおかげで助かった」と湯婆婆に伝えに行く姿が描かれている事から、周りから見てもものすごい成長ぶりだという事が分かりますね。

この「千」と「千尋」は同一人物ですが、「千」でいる間は自分が「千尋」である事を忘れかけており、性格も大きく成長した事からもはや別人のように描かれています。

この事を強調するため、タイトルに2つの名前を入れたのではないでしょうか？

考察②「神隠し」にあったのは千尋だけ

この物語の主人公は「千尋」です。

神隠しに合ったのは「千尋」であり、元の世界に戻ってきたのも「千尋」です。

しかし、別世界にいた間は「千」として生きていました。

つまり、「千」と「千尋」2人揃って初めてこの物語の全てを語ることができる、ということになりますね。

このタイトルには、どちらが欠けても駄目という意味が込められているのではないでしょうか。

考察③ 「千」は自身の名前を忘れかけた千尋

「千」でいるうちに、自分の本当の名前を忘れかけてしまう「千尋」。

「千」と「千尋」は意図的に別人であるように描かれていますが、元々は「千尋」という名前を忘れてしまった姿が「千」です。

つまり、この物語において「千」と「千尋」は2人で1つというような存在ではないでしょうか。

「千」が「千尋」である事を忘れてしまえば、次第に自分の目的をも忘れてしまい、帰る場所も何もかも分からなくなってしまうでしょう。

「千尋」という存在を忘れかけていましたがハクのおかげで持ち直し、「千尋」の想いややるべき事はしっかり共有していた「千」。

2人で1人前なのに気が合わない「湯婆婆」と「銭婆ぜにーば」とは対照的に描かれていましたね。

考察④ 名前を取られて記憶をなくすのが普通

千と千尋の神隠しの中での名前の扱われ方は興味深かったなー。千尋が湯婆に名前を取られただけで記憶を失いかけたり、白が本当の名前を思い出したら記憶を取り戻したり、まるで名前がその人の自己そのものと言わんばかりじゃないか…。そして現実の人も無意識のうちに、名前が自分と思い込んでる。

— リリア (@riria255) July 9, 2010

ハクが自分の名前をどうしても思い出せなかったように、湯婆婆は名前を奪い、忘れさせてしまう事でその者を完全に支配してしまいます。

名前を忘れてしまえば自分の帰るべき場所が分からなくなり、永遠に湯婆婆の元で働くしかなくなってしまうため、湯婆婆にとっては都合の良いやり方ですね。

しかし「千」は、自分の本当の名前が「千尋」である事を忘れませんでした。

自分の名前をしっかり覚えておく大切さをハクに教わった事で「千尋」という名前を意識的に忘れないようにした賜物です。

もし、ハクがいなければ「千」は本当の名前を早々に忘れてしまう可能性は十分にありますし、油屋の作業員達はきっと自分の名前を忘れてしまったのでしょう。

「本当の名前を忘れない」という事は、別世界の住民としてはイレギュラーである事を強調しているのではないでしょうか？

考察⑤ タイトルの「千」は忘れなかった千尋の思い出

別世界での体験は全て「千」の記憶です。

元の世界に戻ってきた「千尋」は別世界の記憶を消されている事から、迷い込んだ時と同じように母親にくっついてトンネルを潜って戻ります。

しかし、トンネルを抜けた後に振り向いた「千尋」の顔は、別世界に迷い込む前の不安そうな自信のない顔ではありませんでした。

別世界の記憶はなくとも、「千尋」が大きく成長した事実は変わりなく「千」であった期間は無駄ではなかったのです。

自分の名前を忘れない強い心、時には勇敢な選択のできる決断力など、「千」としてやり遂げた全てが、具体的な記憶として残っていなくても「千尋」の思い出となり糧になっているのでしょう。

千と千尋の神隠しを実質無料(0円)で見る方法

参照元 : スタジオジブリ STUDIO GHIBLI 公式サイト

サイトURL : https://www.ghibli.jp/works/chihiro/#frame

最後に、千と千尋の神隠しを実質0円で見る方法をご紹介します。

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【千と千尋の神隠し】作品の題名について考察まとめ

今思ったけど、「千と千尋の神隠し」ってタイトル、素晴らしいね。
独創的というか、インパクトあるというか、言葉が残るというか、想像させられるというか(・ω・`)
タイトルについて考えたことなかった。千と千尋は千と千尋だし

— 蒼 (@ao_clarine) July 7, 2012

いかがでしたでしょうか？

千と千尋の神隠しがまだ企画段階だった頃、タイトルは「千の神隠し」でした。

しかし、これは「千尋」の物語でもある事から「千と千尋の神隠し」になったそうです。

この事から、「千」と「千尋」を別人として扱い、2人の物語であると印象づけるためにこのタイトルになったと推測されます。

タイトルだけで様々な考察ができるジブリ映画。

この深さが人気のひとつかもしれませんね。

今回はここでお終いです。

ここまで読んでいただきありがとうございました！