【千と千尋の神隠し】銭婆の正体や能力まとめ!千に優しい理由や人物像についても解説!

公開日: 2019年8月25日 | 最終更新日: 2020年7月5日

 

私が初めて”千と千尋の神隠し”を見たのは、確か中学生の時だったと思います。

作品の深い意味を理解せずにただ眺めていただけでしたが、インパクトが大きかったことは覚えています。

 

湯婆婆と銭婆が怖い

 

もう、この一言に尽きます。

当時は、あの雰囲気に完全にやられました。

 

今では、湯婆婆の厳しいところを理解しているつもりですし、逆に”銭婆の性根は優しい“のだろうと感じています。

今回は、あまり登場こそしませんが銭婆について考えてみたいと思います。

 

“銭婆”の正体や人物像などから、その優しさについてお話をしていきたいと思います。

 

銭婆の正体は?

銭婆が、湯婆婆の姉であることは周知の事実ですが、実際のところその正体は不明なところが多いですよね。

作中の終盤で登場し初見では怖いイメージがありましたが、最後は優しいイメージへと変わりました。

 

そんな銭婆について、改めてご紹介します。

銭婆の簡単なプロフィール

〇湯婆婆の双子の姉

〇銭婆と湯婆婆は、容姿も声も何もかもが全く一緒

〇湯婆婆と同じく魔女

〇魔法でハクを痛めつける

〇一人田舎に住んでいる

〇カオナシを引き取る

 

少ししか登場しない銭婆ですが、ざっくり説明するとこんなところでしょうか。

 

湯婆婆との関係性

銭婆は湯婆婆のことを「欲深な妹」と言い、

妹である湯婆婆からは「性悪女め」と言われています。

 

さらに、湯婆婆が行方不明の坊の居場所をハクに聞く場面があります。

右の写真で、口から炎を出しながらハクに詰め寄るシーンです。

 

坊が銭婆のところへ言ったことをハクが伝えると、湯婆婆の”口の炎は消えすっかり意気消沈“します。

その後「それであたしに勝ったつもりかい」と言っています。

 

このことから、湯婆婆は銭婆に対して対抗意識を燃やしていることが分かります。

しかし、銭婆を”越えられない壁“として認識しているからこそ、一時的に戦意喪失したのではないかと考えられます。

 

そして銭婆は、自分に対して対抗意識を燃やしているそんな妹・湯婆婆のことを知りつつも、どうしようもなく”憂いている”ように感じます。

 

何でもできる姉に嫉妬する妹という関係性が見えます。

二人の仲は決して良好ではないことが分かりますね。

 

作中では、湯婆婆から嫌がらせをされて、仕方なくその手下であるハクをお仕置きしました。

姉妹喧嘩に見えますが、妹・湯婆婆の一方的な劣等感からによるもので、銭婆はそれを解決したいように感じました。

真っ向からの魔力勝負などせず、湯婆婆を傷つけず、なんとか諭して良い方向性へ導いてあげたいという姉の優しさを感じました。

 

銭婆の正体は、単純に妹思いの優しい姉なのかもしれません。

 

銭婆の能力について

銭婆が使う魔法はどんな能力があるのか、ご紹介します。

 

 

対象を変化させる

銭婆は、対象の相手を思い通りの姿に変化させる能力があります。

 

坊を太ったネズミ“に

湯バードを手のひらサイズのハエドリ“に

かしら3匹をニセモノの坊“に変化させました。

 

相手の大きさや個体数は関係なく、指をたった一振りするだけで変化可能なので便利な能力ですね。

湯婆婆も、千の両親を豚に変化させていましたので共通の能力なのかもしれませんね。

無生物に命を与える

湯婆婆の命令でハクが銭婆の”魔女の契約印“を盗んだ時に、式神と呼ばれる無数の紙に命を与え、ハクを執拗に追い回していました。

 

 

さらに、千が銭婆の家へ行った時にも、カンテラに家までの案内役をさせていました。

驚くことに、カンテラは初対面の千に対してお辞儀をしていました。

銭婆のモラルや人間性が感じ取れる一場面でした。

ちなみに、湯婆婆もイスなどを操っていたため同能力を持ち合わせていると考えられます。

 

式神を通じて自身のホログラムを投影できる

千にピッタリ引っ付いた式神から、銭婆が登場するシーンがありました。

式神を通して、自分がそこにいるかのように見たり聞いたりすることができるようです。

登場時「やっぱりちょっと透けるわねぇ」と一言あったように、式神を通しているからか、遠距離から式神を操作しているからか、魔力が行き届いていないような言動がありました。

 

ホログラム投影状態でも魔力が使える

前述の通り、銭婆は式神から登場してホログラムとして投影されていました。

さらに、対象の相手を変化させる能力もありました。

 

一番驚いたことは、それがただのホログラムにも関わらず相手を変化させる能力を持ち合わせていたことです。

それも、少し透けている魔力が万全ではない状態の時にです。

オリジナルの銭婆は、どれほど魔力が高いのか判断できないですね。

 

 

銭婆が千に優しい理由

銭婆は、自分の大切な”魔女の契約印“をハクに盗まれました。

ハクも湯婆婆に操られていたため、記憶がほとんどなく覚えていませんでした。

 

そんなハクの悪行を、ハクの代わりに銭婆のところへ千がお詫びに行った時です。

千とカオナシ、坊ネズミと湯バードハエドリ一行を、”カンテラを操り家まで案内“させ、”茶菓子と紅茶を用意“し大切な客人を迎え入れるかのようなおもてなしをしました。

 

千がハンコを返却しお詫びをした時も、問い詰める様子もなく「本当に大切な印鑑だったの?」と感じさせるような軽い態度でした。

盗んだハクに対しては、全身血だらけになるほど式神で追い詰めていたにも関わらず、千には優しいその温度差が正直分からないでいました。

 

おそらく、この優しさの答えは千の純粋さにあるのだと思います。

 

ただの人間が、ハクを助けたい一心で盗まれたハンコが一体何なのかも知らずに、不気味な電車に乗って長距離を移動し、素性も知れない殺されるかも分からない銭婆のところへ平然とお詫びにやってきました。

銭婆はこの行動だけで、すでに千のことを認めていたのだと思います。

なので、その礼儀に対して無生物のカンテラを操り、初対面でお辞儀をさせて礼儀を返したのだと考えてます。

 

そんな千が大切に思うハクだからこそ、銭婆の家まで千を迎えにきたハクをすぐ許しています。「ハクリュウ、あなたのしたことはもう咎めません。その代わりその子をしっかり守るんだよ」と、千を守る約束を交わして先の悪行を水に流そうとしてくれています。

 

私は、これが”千でなければ許していなかった“のでは?と考えています。

それぐらい銭婆も千のことを気に入ったのだと思います。

 

銭婆の人物像について

銭婆の人物像について作中のシーンを切り出して見ていきたいと思います。

銭婆の優しさを感じるシーン

坊をネズミに変化させる

銭婆は坊を見て「あんたはちょっと太りすぎねぇ」と小さなネズミに変化させました。

その後、「その方が少しは動きやすいだろ」と坊に言っています。

おそらく、これは外出できない坊に対して「これで外に出れるよ」というメッセージを込めたのだと思います。

千と坊の一見を見ていた銭婆は、湯婆婆の命令で外に出ることが許されない坊を不憫に思った結果だと考えられます。

体格の大きい坊は外で目立ちますが、ネズミの姿であれば堂々と外出できます。

 

そして、湯婆婆に感づかれないよう、替え玉として頭をニセモノの坊に変化させています。

さらに、変化の魔力を短時間に設定し、あとは本人の意思次第ですぐ元に戻ることができる状態にしてあげています。

 

ここまでするのは、坊に対する”不憫さ“と、どうにかしてあげたいという”優しさ“の表れだと私は考えています。

 

髪留めを手作りする

銭婆の家で、手作りの髪留めを千にプレゼントするシーンがありました。

魔法で作ったんじゃ何もならないからね」と言い、カオナシや坊ネズミ、湯バードハエドリに手伝ってもらっていました。

 

 

おそらく千に対する気持ちを込めるために、あえて魔法は使わなかったと考えられます。

バレンタインのチョコと同じく既製品を買うよりも手作りの方が気持ちが込めれるといった感じです。

銭婆なりの気持ちの込め方だったのでしょう。

 

千を全面的に応援する

お前を助けてあげたいけど、あたしにはどうすることもできないよ。この世界の決まりだからね

大丈夫。あんたならやり遂げるよ

千尋。いい名だね。自分の名前を大事にね

 

これは、銭婆が発言した内容です。

もはや普通に良い人です。

千のことを本気で応援している想いが伝わってきます。

 

田舎にひっそりと暮らしている

銭婆は、周りに何もない田舎で一人生活しています。

色々と利便性が悪そうにも関わらず、千が来たときにも必要最低限の魔法しか使いませんでした。

対して妹・湯婆婆はちょっとしたことで魔法を駆使していたので、その点で正反対の生活をしています。

釜爺が、千に「あの魔女は怖えぞ」と言っていましたが、過去には湯婆婆のように恐ろしい魔女時代があったのかもしれませんね。

 

妹に対する思いや、魔女として生きてきたことなど、何らかの理由で魔法を使用せず人里から離れた土地で生活したいと思うようになったのではないでしょうか。

 

銭婆についてのまとめ

銭婆は、周りが言うほどの怖い魔女ではなく、むしろ”優しいお婆ちゃん“のような人物でした。

その気があれば、ハクを”すぐに始末することもできたのではないか“と今では思います。

あえて生かすことで、罪を償わせるよう仕向けたかったのではないでしょうか。

 

ハクに対しても、カオナシに対しても過去の悪行を許し、これから”厚生させよう“と銭婆は考えていたのだと、私は思います。

 

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