ファーストガンダムの死亡キャラ一覧まとめ!地球連邦軍とジオン兵を解説

公開日: 2022年10月6日 | 最終更新日: 2022年10月6日

 

機動戦士ガンダム】は、戦争をテーマにしている物語です。

ストーリーの展開上、何かしらの理由で死亡してしまう登場人物も存在します。

戦いの中で戦死する人物、誅殺される人物、自決する人物…

その最期は様々です。

悪人が非業の最期を迎えることは自業自得かもしれませんが、善人がそう言う最期を迎えてしまうと、なんとも胸が痛みますよね。

 

ファースト」と呼ばれるこの機動戦士ガンダムでは、詳しくなくても聞いたことがある人物「アムロ・レイ」や「シャア」などのキャラが登場します。

地球連邦軍とジオン軍によってモビルスーツ(MS)での戦闘が激化し、殺し合いが始まっていくのです。

後に「一年戦争」と呼ばれたこの戦いでは、一体誰が死亡したのでしょうか?

 

今回は、ファーストガンダムの死亡キャラをご紹介します↓↓

この記事を見て分かること
  • 地球連邦軍」の死亡キャラ&シーン
  • ジオン軍」の死亡キャラ&シーン

 

 

ファーストガンダムの死亡キャラ一覧まとめ!

 

戦争がテーマである以上、人々が戦場でその生命の華を散らせてしまう事は避けられないかもしれません。

しかし、それでも気に入ったキャラが死んでしまうのは悲しいです。

今回は、劇中で死亡してしまった登場人物をまとめたいと思います。

誰が、どの様な形でその生涯を終えたのか…

ここからは、そんな死亡キャラや死亡シーンを解説します↓↓

 

ガンダムでは多くのキャラが死亡している

まず、キャラのご紹介の前に、作品の外観を解説します。

ファーストガンダムは、非常に多くの人物が登場します。

その中で、物語途中で死亡してしまった人物も少なくありません

 

散って行った人物は、皆自分の生き方に誇りを持った人物ばかりでした。

戦争を生き残った人物は、その命を犠牲に生き延びたのかもしれません。

 

 

地球連邦軍

 

まずは、地球連邦軍の死亡キャラについて見ていきましょう。

有名な登場人物もいるので、詳しく解説しています↓↓

 

 

リュウ・ホセイ

 

民間人の寄せ集めと言われたホワイトベース隊の中で、「ブライト・ノア」とともに、唯一の軍人として残っていた『リュウ・ホセイ』。

戦争を知らない他の人物達にとっても、リュウは頼れる存在でした。

ランバ・ラル隊がホワイトベースに白兵戦を仕掛けてきた際に、リュウは銃撃で重傷を負います。

その後、「ランバ・ラル」の敵討ちに現れた「クラウレ・ハモン」の操縦する「マゼラ・トップ」によって、アムロはピンチに。。

 

そのアムロを救うため、重症のリュウは「コア・ファイター」でハモンが搭乗するマゼラ・トップに特攻を仕掛けます。

ハモンと共に、リュウはその短い生涯を閉じました。

リュウの死亡後に、連邦軍から告げられた言葉は「二階級特進」…これだけです。

その言葉に、アムロは連邦軍士官への怒りを顕にしました。

 

スレッガー・ロウ

 

ホワイトベース隊に、増援という形で配属された『スレッガー・ロウ』。

そのスレッガーも、物語の中で命を散らしてしまいます。

スレッガーは連邦軍所属の、いわゆる”職業軍人”で、素晴らしい戦闘技術をもったエース・パイロットでもありました。

 

ホワイトベースクルーの「ミライ・ヤシマ」と、一時のロマンスも交わした事もあります。

連邦軍が、ジオン軍の拠点の一つ「ソロモン」を攻略する際に、敗走を始めたジオン軍は、最後の切り札として「ドズル・ザビ」が搭乗する「ビグ・ザム」を出撃させました。

 

その巨体に「Iフィールド」を展開するビグ・ザムは、ガンダムのビームライフルが一切通じません。

遠距離からの攻撃を封じられたガンダムが成すすべもなかったところに、スレッガーの乗る「Gファイター」が現れます。

 

ガンダムの攻撃が通じないビグ・ザムに対して活路を開くために、スレッガーはビグ・ザムに特攻を仕掛けます。

Gファイターは大破し、スレッガーは宇宙に放り出され

そのまま戦死してしまいました。

 

スレッガーの捨て身の特攻が功を奏し、ガンダムはビグ・ザムを撃破することには成功しますが、その犠牲はあまりにも大き過ぎるものでした。

特攻の際のスレッガーのセリフ「悲しいけど…これ、戦争なのよね」には、計り知れない重みが有るのでは無いでしょうか?

 

 

マチルダ・アジャン

 

補給部隊として、ホワイトベース合流する事になった『マチルダ・アジャン』。

アムロの憧れの人物であったマチルダも、物語の中でその短い生涯を終えます。

マチルダは、アムロに対して「エスパーかも」と言う発言をするなど、まだ覚醒してないアムロのニュータイプ能力をその鋭い感性で察していたのかもしれませんね。

作中では、補給部隊としての職務に誇りを持ち、そして女性でありながら軍人としての覚悟も持った崇高な女性として描かれていました。

 

また、マチルダには後述する「ウッディ・マルデン」と言う婚約者(こちらも連邦軍人)がおり、この度の作戦が終了した後に、結婚式を挙げる予定でした。

大人の女性として、アムロが興味を示した初めての人物…

そのマチルダは、「黒い三連星」が乗るドムの強襲時、修理を終えて間もないホワイトベースと苦戦するアムロを援護するため、輸送機「ミデア」で果敢に立ち向かいます。

 

しかし、アムロたちの検討も虚しく、黒い三連星の1人「オルテガ」の操るドムに、コクピットごと叩き潰されると言う非業の最期を迎えます。

黒い三連星を退けたホワイトベースクルーたちは、儚く散って行ったマチルダに敬礼します。

その時、アムロは「マチルダさん…」と、心の中で何度も繰り返すのでした。

 

ウッディ・マルデン

 

連邦軍本拠地「ジャブロー」所属の修理担当士官である『ウッディ・マルデン』。

彼もまた、ホワイトベースクルー達に後世を託し、散っていった人物です。

連邦の「オデッサ作戦」終了後に、上記のマチルダと結婚式を挙げる予定だったウッディは、誰よりもマチルダの死を悲しんだはずです。

そして、マチルダを守りきれなかった自分の不甲斐なさを責めるアムロに対して、その感情を「思い上がり」と一括します。

それと同時に、マチルダが己を掛けて守り抜いたホワイトベース隊を、今度は自身が守り抜くと言う決意を固めるのでした。

 

シャアが率いる「マッドアングラー隊」がジャブローに侵入してきた際、戦闘中のアムロを援護するために小型戦闘艇「ファンファン」で出撃します。

ファンファンのミサイルで、シャアが搭乗するズゴックに応戦します。

なんとなミサイルでズゴックのモノアイを破壊する事には成功しますが、直後にコクピットを叩き潰され、そのまま戦死してしまいました。

奇しくも、婚約者のマチルダと同じ最期となってしまったのでした。

マチルダ、ウッディ…結ばれるはずだったはずの2人は、共に自らを犠牲にしてホワイトベース隊に未来を託したのです。

 

ティアンム

 

ティアンム』は、直接ホワイトベース隊と関わりを持った人物ではありませんが、連邦軍で有能な司令官として描かれています。

登場したのは、35~36話における「ソロモン攻略戦」においてです。

その際の階級は「連邦軍中将」となっています。

ジオンの拠点、ソロモンを攻略するために、「ソーラ・システム」と呼ばれる巨大な兵器を展開する作戦を、旗艦「マゼラン級”タイタン”」より指揮。

ソロモンに甚大なダメージを与えます。

 

作戦が成功し、ジオンの敗色が濃くなってきたと思われた矢先、連邦に一矢報いる為に出撃したMAビク・ザムのメガ粒子砲照射により、旗艦タイタンと共に宇宙に散ってしまいました

後述する「レビル将軍」と共に、それまでの連邦の作戦に多大な貢献を果たした、偉大なる提督でした。

 

ワッケイン

 

連邦軍の宇宙拠点「ルナツー」の司令官として、物語初期に登場する『ワッケイン』。

彼は、幾度かホワイトベース隊と接する事になります。

登場当初は、ホワイトベースクルーたちを”素人”として認めず、連邦軍人として高圧的な態度を取っていました。

ですが、物語が進むにつれ、彼らの成長を称える様になっていきます。

 

物語終盤で、シャアが指揮する戦艦「ザンジバル」と交戦し、撃墜されて戦死してしまうのですが…。

作中では、”ホワイトベース隊の成長を見届けた連邦軍人”として、数少ない人物となっています。

 

パオロ・カシアス

 

パオロ・カシアス』は、本来であれば「ホワイトベースの艦長」として就任するはずでした。

序盤において、事故で重傷を負ってしまい、生き絶え絶えながらも、”素人同然”のホワイトベースクルーたちを導いた人物です。

登場回数こそは少ないですが、上記のワッケインに対して、ホワイトベースのクルーたちを信じるように説得したり、ガンダムを操縦するアムロに理解を示したりなど、非常に柔軟な対応が出来る人物でした。

結果的に、事故の怪我が原因で命を落としてしまうのですが、もし彼が生きていたら…残されたクルーたちもまた違った運命を辿っていたかもしれません。

 

レビル将軍

 

連邦軍大将、ヨーロッパ方面軍総指揮官として登場した『レビル』は、有能かつ様々な方面に理解が有る人物として描かれています。

劇中での登場回数は少ないのですが、作中では触れられない、それ以前の功績は多大なるものであり、”レビルが居たからこそ、今の連邦が有る”と言っても過言ではありません。

戦争に対しても先見の明を持ち、いち早くMSの有用性を提唱し、ガンダム開発作戦、通称「V作戦」にも積極的な態度を示した人物です。

 

戦場においても常に冷静沈着、的確に戦況を把握し、そして最良の選択をなし得る手腕。

そして、ニュータイプにも一定の理解を持っており、劇中においても、「ララァ・スン」が出撃した際には、自身もニュータイプの素質が有るかの様な描写を見せています。

 

しかし、そんなレビルの悲劇は「和平交渉」という場で起こってしまいます。

自国民を憂いたジオン公国公王「デギン・ソド・ザビ」との終戦に向けての和平交渉に赴いたレビル。

自らの父をも誅殺しようとするジオン軍総統「ギレン・ザビ」が画策する”「ソーラ・レイ」照射”。

この攻撃により、デギン、レビルが率いるジオン、連邦両艦隊もろとも、ソーラ・レイの光の中に消えてしまいます

 

もし、和平交渉が成立していたら…と考えると、非常に悔やまれる結果になってしまいました。

 

ジオン軍

 

先ほどは、地球連邦軍についてご紹介しました。

ここからは、その敵となる「ジオン軍」です。

死亡していく中で、感動するシーンもあり名言も残している人物も多いです。

早速、見ていきましょう↓↓

 

ガイア/オルテガ/マッシュ

 

人物名を聞いて”はて、誰でしょ?”って思った皆さん、「黒い三連星」って言えば分かりますよね。

そう、彼らの本名です(笑)

ガイアがリーダー格の3人組です。

 

乗機はドム。

通称「トリプル・ドム」です。

伝説の連携技「ジェットストリーム・アタック」で、序盤戦ではガンダムを苦しめたのですが…

その後、パイロットとして急成長したアムロの”噛ませ犬”的な役割になっちゃいました。

しかも、リーダーのガイアさん…ガンダムに踏んづけられるし(笑)

 

でも、彼らもガンダムの物語以前に、上記の「レビル将軍」を捕虜にする功績を残しているんですよ。

本来は、ジオン軍のエース・パイロットたち(厳密には違うが)なんです。

 

さらに、実は…ニュータイプの素養もあったみたいですね。

結果的に、アムロに全員撃墜されてしまうのですが…。

その中でもオルテガは、マチルダを道連れにしていますので、アムロの心に大きな傷を残したパイロットたちと言えるのではないでしょうか?

 

マ・クベ

 

さて、お次はこの方…『マ・クベ』。

あまりにも有名なのは「骨董好き」「ギャンのパイロット」「狡猾な策士」という設定だと思います。

本当にその通りです。

それ以上の何者でもない…ってのが、マ・クベです。

 

その陰湿な作戦で、幾度もホワイトベース隊を苦戦させます。

ですが、作戦の詰めが甘く、最終的に打破されるのがお決まりのパターンになっていました。

 

重用されていたキシリアからも、徐々に見限られ始め、代わりに目をかけられ始めたシャアに対して、身の丈に合わない嫉妬心を抱きます。

そして、汚名返上と言わんばかりにMS「ギャン」に乗り、テキサスコロニーにてガンダムに挑みます。

 

結果は言わずとも…なのですが、色々なトラップを準備して、意外にもアムロのガンダムに対して善戦はしました。

その様子に、シャアも驚いていた程です。

 

余談ですが…「ギャン」って、スペック的にはガンダムとほぼ変わらない性能なんですよ。

操縦がマ・クベだったので、あんなイメージですが…他のパイロットが搭乗してれば、また印象は変わったかもしれませんね。

 

◆ギャンとガンダムの性能についてはこちら↓↓

 

ランバ・ラル

 

ランバ・ラル』は、”職業軍人”とも呼べる、根っからの武人肌のパイロットです。

搭乗MSは「グフ」。

パイロットとしての技量もさることながら、1人の漢としての人望と器量も厚く、アムロをして「あの人に勝ちたい」と言わしめました。

 

実は、ランバ・ラルも複雑な経緯の持ち主です。

ランバ・ラルの父「ジンバ・ラル」は、旧ジオン共和国において、ジオンの創設者「ジオン・ズム・ダイクン」の派閥に属する政治家でした。

ジオン・ズム・ダイクンとは、かなり懇意な関係であったと言われています。

そのジオン・ズム・ダイクンはザビ家によって暗殺され、旧知の仲でもあったジンバ・ラルが遺児である「シャア・アスナブルキャスバル・レム・ダイクン」と「セイラ・マスアルテイシア・ソム・ダイクン」を保護する事になります。

その様な経緯で、ランバ・ラルは現在のザビ家が支配する「ジオン軍」の中では、かなり冷遇されていた模様です。

 

それでも「自分の出世は部下の生活に繋がる」と、あくまでも自己の為ではなく、部下の為、ひいてはその家族の為を第一に想う良識人でもありました。

”ガルマ・ザビの仇討ち”という名目で、ホワイトベースの追撃を命じられたランバ・ラルは、少ない兵力で幾度もホワイトベース隊と戦闘をします。

歴戦の猛者であるランバ・ラルに、当初はアムロも苦戦しますが、徐々に肉薄する戦い振りを見せる様になり、それに伴ってランバ・ラルも苦戦を強いられる様になります。

 

作戦の最中には、ホワイトベースを脱走したアムロと個人的な邂逅も果たしました。

その際は、お互いにMSのパイロットと知ることはありませんでしたが、それでも何かを感じるところはあったらしく、両者何らかの思いを残したままその場は去ることとなります。

 

何度も戦闘を繰り返す内に、ランバ・ラルの戦力も消耗し、本部に補給を依頼するのですが…

上記のマ・クベの政治的理由により、その補給を断たれる事となります。

MSのほとんどを失ったランバ・ラルは、残った兵士達と共に、白兵戦でホワイトベースに挑みます。

 

ホワイトベースの一角を占拠することには成功するのですが、その際に、過去に父のジンバ・ラルが保護したセイラとめぐり逢うのです。

お互いに面識がある2人でしたが、ランバ・ラルはセイラの姿に動揺してしまい、結果作戦は失敗してしまいます。

進退窮まる状況となったランバ・ラルは、手榴弾を抱きかかえたまま、最期はホワイトベースから飛び降り…自決したのです。

その壮絶な最期は、アムロの記憶に深く刻まれる事となります。

 

クラウレ・ハモン

 

クラウレ・ハモン』は、ランバ・ラルの内縁の妻として、いつも傍らに居る人物です。

お互いに相思相愛な様子が描かれており、ランバ・ラルの部下からの信望も厚い女性でした。

また、アムロが憧れを抱いた女性の1人でもあります。

 

ランバ・ラルの死を知ったハモンは、その仇討ちとして、残った兵力で”特攻”とも言える攻撃をホワイトベースに仕掛けます。

本来は”高速陸戦艇”である「ギャロップ」の居住区ユニット「カーゴ」に、爆弾とエンジンを搭載してホワイトベースに突撃させようとしました。

そのカーゴを単身で止めるガンダムの背後から、自身の操縦する「マゼラ・トップ」で砲撃を試みますが、その際に「リュウ・ホセイ」が操縦する「コア・ファイター」に特攻を仕掛けられ、リュウと共に死亡してしまいます。

 

人格者であるランバ・ラルの妻として、ハモンもまた同様のカリスマ性を持っていました。

アムロが脱走を行いランバ・ラルたちと出会った際にも、優しい大人の女性としての対応をします。

愛するランバ・ラルの敵討ちに向かうハモンの姿は、悲しみを胸に覚悟を決める「女性の戦士」の姿でもありました。

 

シャリア・ブル

 

シャリア・ブル』は、ジオン軍の正規軍人の中で、初めて正式に認定された「ニュータイプ」になります。

ニュータイプと言えば、アムロやシャア、そしてララァの様な「若年者」の印象がありますが、シャリア・ブルは立派な大人です(笑)

シャリア・ブルも、ある意味政治的に翻弄された人物でもあります。

ニュータイプだと認定されたことを理由に、ジオン軍総帥である「ギレン・ザビ」に謁見を受け、その後、その妹「キシリア・ザビ」の編成するニュータイプ部隊へと送り込まれました。

ニュータイプのシャリア・ブルには、ギレンやキシリアの思惑を感じ取ることはできたと思いますが…。

 

キシリアに対して「閣下の深いお考えは分かりません」と答えるあたり、ある意味”大人の対応”が出来る人物だと言えます。

政治的に敵対しているギレンとキシリアの板挟みに苦悩し、心身共に疲弊していくシャリア・ブル。

そんな彼をシャアは哀れに思ったようで、”軍人として死に場所を与える”意味で、MA「ブラウ・ブロ」での出撃を命じます。

 

ホワイトベースとの戦闘では、ブラウ・ブロの性能を充分に活かしてガンタンクを翻弄し、ガンキャノンを戦闘不能に追い込みました。

 

ですが、急激にニュータイプへの覚醒を始めたアムロには一歩及ばず、撃墜されてしまいます。

そのガンダムも、アムロの反応速度について行けずにオーバーヒートしてしまいました。

たった1話だけの出演で、しかも敗れたとは言え、結果的にガンダムを行動不能にまで追い込む実力は軍人としてもニュータイプとしても、実に惜しい人物だったのではないでしょうか?

 

ガルマ・ザビ

 

シャアの友人でもあり、仇でもある「ザビ家」の末弟『ガルマ・ザビ』。

ガルマは、ザビ家でも数少ない良識人でもありました。

しかし、彼もまた若くして戦場に散って行った人物です。

 

イセリナ・エッシェンバッハ」という、婚約を誓い合った女性もいます。

ガルマは、父デギンや兄ドズルから将来を有望視されており、およそ”謀略”などからはかけ離れた、優しい人物でもありました。

「ジオン公国軍 地球方面軍司令官」という役職を与えられ、そこで手腕を発揮します。

司令官として非常に有能な人物だったため、MSに搭乗することはありませんでした。

ただ、それでも自ら戦闘機「ドップ」で前線に出撃することもあり、文武共に優れた人物で有る事が伺えます。

 

そんなガルマですが、その戦死の理由は”シャアの裏切り”によるものです。

元々、自分の仇であるザビ家の人間を粛清する為にジオン軍兵士として行動していたシャアは、最初の生贄にガルマを選ぶことにしました。

 

何度もホワイトベース隊と交戦し敗北を重ねていたガルマは、シャアの甘言に乗ってしまい、囮として行動するガンダムを「ガウ攻撃空母」で追跡します。

もちろん、これは敵をあぶり出すホワイトベース隊の作戦であり、それを察知したシャアに利用されてしまうのです。

ガウ攻撃空母は、背後からホワイトベース、ガンタンク、ガンキャノンの一斉掃射を浴びてしまいます。

そのガウの中で、ガルマはシャアの言葉を聞くことになります。

 

フフフ……ガルマ、聞こえていたら君の生まれの不幸を呪うがいい

友人と信じていたシャアからの突然の裏切り…。

しかも、自分の身に覚えの無い出生元が原因であると…。

逆恨みに近い形で裏切られたガルマは絶望し、撃墜寸前のガウ攻撃空母の進路を、ホワイトベースに変更します。

特攻」です。

 

危うくホワイトベースは激突の難を逃れましたが、その崩れゆくガウ攻撃空母と共に、ガルマは散っていきます。

ガルマの父デギンはそのショックに言葉をなくし、ガルマの葬儀を”密葬”にするつもりでしたが、ザビ家長男ギレンは、そのガルマの死を国葬とし、ジオン公国のプロパガンダに利用するのでした。

これでジオン軍の指揮は高まり、団結力も増しますが、もしかすると劇中で最も不幸な人物なのかもしれません。

 

キシリア・ザビ

 

ザビ家の紅一点である『キシリア・ザビ』ですが、政治的には兄ギレンと、軍事的にはドズルと対立します。

そういった、ある意味ザビ家の本質でもある”猜疑心”を最も体現した人物であると言えます。

 

そんなキシリアも、父デギンへの愛情はそれなりにあった模様で、ガルマの葬儀の際には労ったりしていました。

ギレンがデギンを誅殺したと知った時は、怒りのあまり実兄を銃殺するに至りました。

劇中では語られませんが、ガルマへの愛情もドズルほどではありませんが抱いていたようです。

 

女性でありながらかなりの野心家で、兄ギレンに政治的手腕は及ばないと自覚した後には、MSやニュータイプの軍的運用を提唱し、積極的に取り入れている姿勢が見られました。

その姿勢は、根っからの軍人肌のドズルとは反りが合わず、結果的にはギレンの仲裁により、このように分かれます↓↓

ジオン軍はドズルを司令官とした「宇宙攻撃軍」。

キシリアをトップとする「突撃起動軍」。

 

忠臣として、上記の「マ・クベ」を自らの傍らに置き、直接的ではありませんが様々な形でホワイトベースとの戦闘に干渉して来ます。

ギレンと対立するにあたり、自身の政治的権力を増大させる事に注力することになるのですが、その際にシャアの存在に目をつけ、自らの”懐刀”にすることを計画。

キシリア自身もシャアの幼い頃を知っており、その際にシャアに感じた”聡明さ”に期待を持っていたみたいです。

 

戦争も終盤を迎える中、ジオンの最終拠点である「ア・バオア・クー」の防衛戦の最中、父デギンを自らの野望の犠牲にしたギレンの頭部を、背後から打ち抜きます。

その結果、ジオンの指示系統に混乱を招き、戦局が大きく連邦軍側に傾く事になったのです。

ア・バオア・クー陥落の際には、機動巡洋艦「ザンジバル」で自身は脱出を試みますが、そこに居合わせたシャアのバズーカ砲劇を受け、頭部を吹き飛ばされて死亡してしまいます。

その無惨な最期は、映像的にかなりショッキングなものでしたが、様々な人物を自身の野心で翻弄した末の結末…とも言えるかもしれません。

 

ギレン・ザビ

 

ジオン公国軍総帥『ギレン・ザビ』。

彼は、ガンダムの物語における「一年戦争」の戦犯でもあります。

父デギンの頃より続いていた、地球連邦軍とジオン軍との戦い。

デギンが「ジオン公国」を設立した際に、父から政権を譲られる様になります。

そして「ジオン公国軍」として戦火を拡大させて行きました。

 

デギンは、あくまでも”ジオン公国としての独立”を掲げるのみに留まっていましたが、ギレンは”地球連邦を征服した上での独立”を提唱します。

このようにして、デギンとの確執を深めて行ったのです。

 

「ブリティッシュ作戦」と呼ばれる、地球へのコロニー落としや、スペースコロニーへの毒ガス兵器の使用など、およそ”非人道的”とも言える作戦を幾つも指揮しています。

そんなギレン自身は「IQ240」の天才で、傲慢かつ冷酷非情。

兄弟たちへの愛情も完全に欠落している訳ではないですが、基本的には乏しい人物です。

思想の根本は、スペースノイドを優越種とする選民思想ですが、大衆の心を掴むことに長けておりデギンが望まなかったガルマの葬儀を国葬とました。

そして国民の士気を高めるなど、政治的手腕は天才的と言わざるを得ません。

 

ただし自信過剰な面もあり、その根拠の無い自信が故に「冷静に状況を把握する能力には欠けて居るのではないか?」とも取れる描写もありました。

作中でのギレンの最も非道な部分として描かれているのは、何と言っても”父殺し”の件でしょう。

自身の意に反し、連邦軍との和平交渉に臨もうとする父デギンを、連邦艦隊と自軍の艦隊もろとも、「ソーラ・レイ」で誅殺してしまいます。

その様な行動もあり、劇中では「最大の巨悪」的な描かれ方をしていますが、実は、主人公のアムロとは一度も面識がありません。

まぁ、ギレンがジオン軍総帥、アムロが連邦軍の一介のパイロットと考えると、当然と言えば当然なのですが…。

 

最後は、ジオンの最終拠点「ア・バオア・クー」にて、作戦を指揮中に”父殺し”に対して怒りを顕にするキシリアによって、背後から射殺されてしまいます。

その際にも、キシリアに対して「冗談はよせ」程度の発言しかしなかったところを見ると、ギレンにとっても”まさかの予想外”な出来事だったのではないでしょうか?

 

ドズル・ザビ

 

ザビ家の中でも、ガルマに次ぐ良識人では…と思えるのが、ザビ家三男『ドズル・ザビ』です。

実は、ギレンとドズルの間には、もう1人兄弟が居るんです。

ガンダムの劇中ではすでに故人になっていましたが「サスロ・ザビ」と言う兄がいたのでした。

 

そのサスロは、ドズルと同乗していた車の爆破テロで死亡してしまいました。

ドズルの顔についた傷跡は、その時のものであると言われています。

その強面からも、絶対的な悪人と勘違いされるドズル。

 

ですが、末弟ガルマを溺愛し、さらには愛妻家でもあります。

その後の物語でも重要人物となる「ミネバ・ラオ・ザビ」の父親こそ、このドズルです。

他の兄弟たちと対立はしていたものの、ギレンやキシリアの様に”誅殺”するまでの行動は取らず、あくまでも反目し合う程度の関係でした。

作中では、激情家な性格ではありますが、生粋の軍人として優れた指揮能力を持ち、部下からの信望も厚く、部下思いな一面も見せる人物として描かれています。

 

ただ、その苛烈な性格は、父デギンから若干疎まれていた様な描写も見られました。

ドズルは、ジオン軍拠点「ソロモン」の最高責任者として采配を振るい、連邦の作戦に抵抗したのですが、連邦の新兵器「ソーラ・システム」により、甚大な被害を被るのでした。

ソロモン陥落を悟ったドズルは、自身の妻子と残存兵を撤退させ、その殿を務めるべく、巨大MA「ビグ・ザム」で、半ば特攻とも思える強襲を連邦艦隊に仕掛けます。

 

ドズルとビグ・ザムの攻撃は圧倒的で、連邦の旗艦は次々と沈められていきました。

これに必死に抵抗するガンダムでしたが、ビグ・ザムの能力は圧倒的で、全く歯が立ちません。

スレッガーの特攻により、ようやく活路を見出したガンダムは、辛くもビグ・ザムを撃破する事に成功します。

ですが、それでもドズルは大破前のビグ・ザムからその身を乗り出し、単身で機銃を乱射しガンダムに抵抗します。

その姿を見たアムロは、ドズルのその執念にただならぬものを感じ、そして戦慄しました。

 

最後は、ビグ・ザムの爆発に巻き込まれて戦死するのですが…。

アムロをここまで恐怖させた人物は、後にも先にも、ドズルだけかもしれません。

 

デギン・ソド・ザビ

 

ザビ家兄弟達の父親、『デギン・ソド・ザビ』ですが、ガンダムの物語の中では、実質的に”隠居状態”になっています。

それでも、公王として未だに政治的権力も持ち合わせており、自身は「穏健派」として、「急進派」のギレンを牽制する状態でした。

父親として、子どもたちへの愛情は持ち合わせていたか…というと、そこは謎です。

末弟のガルマに対しては確かに溺愛していたのですが、その他の兄弟に対しては、決して愛情と呼べる様な言動は見られませんでした。

自身を労う娘に対しても、後日ギレンに「キシリアは何を考えているのか?」と発言しており、子どもたちからの愛情を感じることも少なかったようです。

確かに、ガンダムにおける戦争の元凶はこのデギンなのですが、あくまでもその目的は「ジオン公国の独立」であり、他国の征服ではありませんでした。

 

しかし、息子ギレンはその意に反し、征服を目的に戦争を激化させていきます。

本来であれば、それを止めるのが父親たるデギンの役目なのですが、ガルマが戦死した際のショックからか、その気力も残ってない様子が多々見られました。

それでも、疲弊する自国民を見て耐えかねたのか…ギレンを止めるーはしと自国民を救うことを目的に、連邦の「レビル将軍」との和平交渉に赴きます。

しかし、それを快く思わなかったギレンは、”父親を誅殺する”と言う暴挙に出ます。

照射予定を大幅に繰り上げた大量破壊兵器「ソーラ・レイ」が、和平交渉に差し掛かろうとするデギンの艦隊と、レビル将軍の艦隊を直撃します。

 

結局、交渉は成立する事の無いまま、ジオンと連邦の2大トップは、ソーラ・レイの光の渦に巻き込まれて、その生涯の幕を降ろしました。

肉親の陰謀に翻弄され、最愛の息子を失い、そして最後は自分の息子に討たれるという悲劇的な結末を迎えた人物です。

そう考えると、確かに戦争の元凶ではあるかもしれませんが、もしかしたら、このデギンも戦争の被害者だったのかもしれません。

 

【初代ガンダム】主要な死亡キャラ一覧まとめ

 

まとめ
  • リュウ・ホセイ→ハモンのマゼラ・トップに特攻し、死亡
  • スレッガー・ロウ→ドズルのビグ・ザムに特攻し、死亡
  • マチルダ・アジャン→オルテガのドムに撃墜され、死亡
  • ウッディ・マルデン→シャアのズゴックに撃墜され、死亡
  • ティアンム→ドズルのビグ・ザムに撃墜され、死亡
  • パオロ・カシアス→サイド7での事故による負傷で、死亡
  • レビル将軍→和平交渉の最中、ソーラ・レイで撃墜され、死亡
  • ガイア/オルテガ/マッシュ→アムロのガンダムとの交戦において、死亡
  • マ・クベ→アムロのガンダムとの交戦において、死亡
  • ランバ・ラル→ホワイトベースへの白兵戦を仕掛け、敗戦を悟って、自決
  • クラウレ・ハモン→リュウのコア・ファイターの特攻を受け、死亡
  • シャリア・ブル→アムロのガンダムとの交戦において、死亡
  • ガルマ・ザビ→シャアの罠に嵌められ、ホワイトベースからの砲撃掃射を受け、死亡
  • キシリア・ザビ→ア・バオア・クー脱出の最中、シャアからの砲撃を受け、死亡
  • ギレン・ザビ→キシリアの背後からの銃撃を受け、死亡
  • ドズル・ザビ→アムロのガンダムとの交戦において、死亡
  • デギン・ソド・ザビ→和平交渉の最中、ソーラ・レイで撃墜され、死亡

 

ガンダムという物語では、敵味方関係無く多くのキャラ達が亡くなってしまいます。

その理由が、戦闘でのものだったり、政治的なものだったり、挙句復讐だったりするのです。

華々しく散っていくキャラも居れば、憎しみに囚われながら散っていくキャラも居て、ガンダムという物語の奥深さが垣間見えますね^ ^