【チ。ー地球の運動についてー】という作品で最初に目を引くのはやはりその特徴的なタイトルでしょう。
カタカナ一文字というシンプルすぎるタイトルで話題になりましたが、タイトルは正確には「チ。」でチのあとに句点が付いています。
「チ。」に込められた数々の意味、それらは一体何でしょうか?
シンプルすぎるようで奥が深い作品のタイトル名「チ。」、このタイトルに込められた複数の意味について考察してみました。
目次
「チ」にはトリプルミーニング
アニメ勢が3話で唖然としてるけど「チ。」の本領発揮はこっからですよ。地、知、血、そして”。”と”軌跡”に込められた「止まった物事が動き出す」始まりと異変の示唆。
第2章、第3章へと時を超え継承していく意志の物語であり人類の根源にある「探求」とそれに命を捧げた者達の姿は何度読んでも美しい。 https://t.co/92B1CXo7Md pic.twitter.com/5CEAJV8Jcf— なまたまご (@Ace_r_kaede) October 14, 2024
結論を言いますと、チという単純で短すぎるタイトルが意味するのは3つ。
更に、句読点の「。」にも意味があり、表紙のタイトルロゴを見るとチの後ろの句点には円弧の線が付け加えられていて、この円弧の線も単なるデザインではなく意味が込められています。
「チ」の意味はラファウ、バデーニ、ノヴァクと各キャラクターによって意味が異なります。
- ラファウの地
- バデーニの知
- ノヴァクの血
3人のそれぞれの「チ」、それを順番に考察していきます。
意味① 地動説の「地」
作中でチの意味で最初に登場するのが地動説の「地」です。
フベルトがラファウと初めて見晴らしの良い丘に天文観測に行った時にフベルトは自分の考えを語りました。
太陽や星ではなく地球が動いている、と。
「私の宇宙では、地球は二種もの運動をしている。
そこでは太陽は静止し、バラバラだった惑星は連鎖して動き、宇宙は一つの秩序に統合され、常識は覆り、C教は激昂し、”美しさ”と、”理屈”が落ち合う。
これが私の研究だ。
そうだな、これを”地動説”とでも呼ぼうか」
そのページは見開きで一コマだけのページです。フベルトのセリフで大きい文字で地動説と書かれ、さらに大きくページの左側のほとんどを使う大きさで「チ。」とタイトルが描かれていました。
ここでなるほど、タイトルのチとは地動説の地だったのかと分かります。
そして一巻の最後にオクジーとグラスの二人はラファウの石箱を見つけ、中の手紙を読みました。
その手紙のタイトルは「地」。
2巻冒頭で少しだけ時間が戻り、オクジーとグラスが石箱を見つけるに至るまでが描かれます。
オクジーが「地」とタイトルを読んだ時の画面の構図が、フベルトがラファウに地動説とでも呼ぼうかと話したシーンと同じなのはおそらく意図したものでしょう。
オクジーの台詞「地」が大きく書かれ、ページの左側のほとんどを使い「チ。」が描かれています。
ラファウは最初フベルトの考えを間違っていると否定しましたが、帰り道に足を滑らせてひっくり返って大地に頭をぶつけてしまいます。
でも、そのおかげで大地のほうが動いてると気づくことが出来ました。
太陽ではなく大地が動いているという考えはラファウの考え方やその後の人生についても大きく影響する出来事でした。
ラファウにとっての「チ」は大地のチ、非常に大きな意味を持つ言葉です。
意味② 知性の「知」
チが二番目に意味するのが知性の「知」。
22話でクラボフスキはバデーニに「何故、そんな悲劇を味わったのに、学問とか研究とか、そういう事から離れないんですか?」と疑問を投げかけました。
それにバデーニは答えます。
バデーニ「神が人間に与えてくださった理性を自ら放棄したくないからです。それに理性によって、私は歴史的な特別な瞬間に立ち会えるかもしれないですし。」
クラボフスキ「しかし、あなたが持ってる行き過ぎた好奇心や、必要以上に多くを知ろうとする欲望には際限がない。いずれはそれ自体が目的化して非道徳的なことまで知ろうとするようになる」
バデーニ「すでにこの世は非道徳的なことで溢れかえってませんか? そういう世界を変える為に、何が必要だと思いますか? ”知”、です」
ここで大きく「知」と書かれます。
バデーニには、かつて研究結果を友人に盗まれてしまうという過去がありました。
そして、トラブルになり友人を決闘で殺害しています。
バデーニの顔の傷はその時のものです。
彼はそれでも学問と研究を止めません。
さらにはバデーニはかつて修道院の院長に私を特別にする瞬間をずっと待っていると言いました。
バデーニは「なぜ惑星は前に進むだけでなく後ろに戻ったりするのか?」これを解明できれば特別になれると代数や幾何学の研究に没頭します。
研究のためなら異教徒の禁書まで読みたいと考えます。
そして修道院で偶然目にした禁書を詠もうとして院長に咎められ、片目を潰される罰を受けても彼は学問を、知の探究を止めません。
バデーニにとっての「チ」は知恵のチです。
バデーニは人生を特別にする瞬間を求め、知の探究を止めません。
意味③ 暴力の「血」
チが意味する最後の意味は、血液の「血」。
24話でノヴァクは新人の異端審問官の教育を担当します。
異端容疑で捕まった女性を尋問し終わった後、新人の「しかしこの方法は本当に正しいのでしょうか?痛みから逃れるために偽証をする可能性だってある。もうすこし対話によって愛によって更生を」という言葉を遮り、ノヴァクは新人の異端審問官見習いに語りました。
「ダメだ。いいかい? そもそも私たちには何の決定権もない、上に従うのが役目だ。それにこの仕事に就くと気づくけど異端は手段を選ばない。悪魔と結託してこの世界を変えようとする。
それを阻止する為に最も重要なもの、世界を今のままに保持するために必要なものは何だと思う?”血”だ。」
第一話の冒頭でもノヴァクはオクジーを拷問にかけオクジーは血を流していましたが、”血”という言葉をはっきり書いたのはこのシーンでした。
ノヴァクは異端審問官として異端狩りを続けています。
ノヴァクは考えています、「異端者は取り締まっても潰しても処刑しても次々現れる、そのため異端者の血を流さないと、異端者を処刑し続けない。自分は上の命令に従うだけ、これは仕事だ」と。冷酷に割り切って粛々と任務をこなし、異端者に大量に血を流させます。
作中でノヴァクがオクジーを拷問して尋問するシーンでも、容赦なく血が流れる、残酷な描写が描かれました。
ノヴァクにとっての「チ」は血液の血。
作中でノヴァクが異端者たちに血を流させるシーンが何度も登場します。
タイトルは「止まっていたものが動き出す」を意味
#チ球の運動について 1話 2話
面白いなぁ
合理的にチョロい世界を生きてきたラファウが、異端になろうと“知”を探求する
地球(チ)を動かすのと同時に止まっていた思考、知(チ)が動き出すっていうのが面白いなって pic.twitter.com/Hh8JEzSCp2— ゴールデンチョコレート (@Rul0NKGbn6C5Hcy) October 5, 2024
タイトルの「チ」は1巻の内容で地の意味だとすぐ分かりますが、ある程度話が進むと他にも、知と血の意味がある事がわかります。
フベルト、ラファウにとってはチは地であり、バデーニにとっては知であり、ノヴァクにとっては血であり、人によってチが何を表しているかがそれぞれ異なっていました。
しかしそれだけではありません。
タイトルの「チ。」のチの後ろには、句点「。」が付いています。
作中で説明はありませんがタイトルロゴの「。」に書き加えられている円弧の線についても意味があることを作者はインタビューで述べていました。
「。」にも地球と終止符+軌跡という3つの意味がある。
タイトルロゴの「チ。」はよく見ると「。」に円弧の線が付け加えられていますよね。
マンガバラエティ『川島・山内のマンガ沼』においておこなわれた、作者・魚豊氏へのインタビューによると、これは地球とその軌跡を表しているとの事。
「自分でも理由は分からないのですが、「。」が単純に好きで付けることが多いです。」
「「。」は地球を表していると同時に、文章の停止を意味する句点に軌跡を足すことで止まっていたものが動き出す」という概念を表現できると思い、タイトルのデザインのアイデアを提案させていただきました。」
と、作者の魚豊氏は述べられています。
それに対し出演者の川島氏は
「だから読んだことのない人にとっては、このマルは止まってるんですよね。
でもこの『チ。』という作品を読んだ人にとってはこれが動いているように見える……というすごい仕掛けですよね。
すごく計算してる。」
と、コメントされています。
私もこのインタビュー記事を見るまでは、句点に軌跡を表す線がついていることに全く気付きませんでした。
単なるデザインだと気にも留めませんでしたね。
タイトルのチも、地と知の意味はすぐ分かりましたが血の意味が込められている事はノヴァクのセリフを読むまで気づかなかったですし、句点まで色々な意味が込められているのかと感嘆しました。
70%OFFでチ。を安く読む方法
3話(単行本1巻まで)の放送が終わった今1巻の表紙を見て欲しい。
内容もさながらこんなに完璧な第1集はなかなか珍しい。
しかし,どんな状況でも観測することをやめないこのラファウはただただかっこいいな#チ球の運動について pic.twitter.com/ycyLKvKbRq
— チ。-地球の運動について-について(非公式ファンアカウント) (@chi_chikyu_) October 12, 2024
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【チ。地球の運動について】 タイトルの意味や回収シーンまとめ
「チ。-地球の運動について-」読了。
「C教」によって地動説が弾圧される「P王国」で、それでも真理を渇望する人々が命を懸けてバトンを繋いでいく。「チ。」は地であり知でも血でもある。全ての登場人物が紡ぎ繋げた希望が最終巻のこの「?」に行き着いて泣いた。 pic.twitter.com/4tSQKffbsS
— 巨大学者犬 (@GiantScholarDog) September 26, 2022
- 「チ」は地、知、血の3つの意味がある
- 「。」についている円弧の線は地球の軌道を表している
- 句読点に軌跡を足すことで止まっていたものが動き出すという意味が込められている
「チ」の意味はマンガ本編を読んだら3つの意味があるとわかりますが、「。」の円弧の部分の意味はインタビュー記事を読んで初めてわかる部分です。
余談になりますが、作者の魚豊氏は「チ。」という一文字のタイトルにしたのはネットで検索しにくくする効果も狙っていたそうです。
ネットでサーチできにくくすることでネットの他人の感想や意見に流されることなく、自分だけの意見を考えるきっかけになってほしいとのこと。
タイトルロゴにここまでの意味が込められているのは自分だけでは気づけない所でした。
皆さんはタイトルロゴの意味に気付けましたか?
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