『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』(作:理不尽な孫の手)は、2012年11月から小説投稿サイト「小説家になろう」で連載を開始しました。
略称は「無職転生」。
主人公が魔術や魔物のいる中世ヨーロッパ的異世界に転生し成長していくストーリーで、いわゆる「なろう系」の先駆者的な作品として知られています。
また、TVアニメは2021年1月10日(日)より放送し、2023年7月からはTVアニメ第2期となる、『無職転生Ⅱ』が放送されます。
読みやすい文体、一人の人間の成長譚と、それに絡む家族というテーマ……
なろう系の金字塔として絶賛される一方、否定的な意見もあるようです。
実際の人気はどのようになっているのでしょうか?
今回は、「無職転生」の評価や評判についてお話します↓↓
- 無職転生の「面白さ」や「つまらなさ」
- 作品に対する「感想」について
目次
無職転生は面白い?
無職転生めっちゃ面白い
いっき気見するかぁー😆#アニメ好きさんと繋がりたい #無職転生 pic.twitter.com/wUbF0pkLr9— ATS (古見親衛隊) (@ATS761234) February 26, 2023
一大ジャンルとしての地位を確立した、なろう系。
そのパイオニアとして評価される「無職転生」。
「2013年10月~2019年2月」までもの間、小説家になろう累計ランキング1位を維持し続けていました。
とはいえ、世にあるたくさんの人の目に触れた物語と同様、無職転生にも賛否両論があるようです。
人気がある分、いろんな意見を持つ人から評価を受けている作品ということですね。
ハッキリと「面白い」「面白くない」と両方の意見が存在しているようです。
では早速「面白い」という評価から見ていきましょう↓↓
面白いというネット上の口コミ
ここではまず、無職転生が「面白い」という読者の意見をご紹介します↓↓
今更ながら無職転生見始めた!!
めちゃくちゃおもしろい…😳✨✨ pic.twitter.com/dOh0L5jHO0— ネギおぢ (@tanakat80520503) January 16, 2022
無職転生おもしろい
これなろう系じゃないよ舞台が(かなり丁寧な考察の元設定された)ハイファンタジー世界なだけで一人の人間の生き直し物語だよ— (株)財閥コンツェルン (@conzeln0613) November 8, 2022
無職転生、命乞いするシーンのルーデウスが一番好き
あんなにクズだった無職ニートが。努力して強くなって、家族を作って。脅されて勝てない相手に挑んで、家族を守るために命乞いする。あのルーデウスが。ボロボロになって這いつくばって。
変な言い方だけど、感動した。— てろてろ (@FGOq9pCr) November 28, 2018
やはり無職転生はいい作品やな
脇役もちゃんと活躍してるし主人公無双じゃないのもまたよき— 焼きおにぎり太郎~味噌味~ (@tarotaro0367) November 16, 2021
コンパスでもコラボしたし7月にも2期やるしWeb版の無職転生最後まで読んだけど喪失感が半端ない
でもとても良かった。そりゃ完結してから今までも人気な作品だわ— 紫翠#コンパス (@sisui_compass) June 7, 2023
無職転生、蛇足編まで読み終わったんだけどあれはよかったな
最初こそよくあるなろうかと思ったし、実際才能ある子供スタートなんだけど、ちゃんと周りも強くて全然勝ってた記憶がない
主人公の人生ちゃんと描き切ってて読後感すごく良かった
アニメ化たのしみ— ちらこいど☀💚Vtuber (@chiracoid_nico) April 11, 2019
以上、無職転生が「面白い」という意見でした!
「面白い」意見まとめ
- クズだった男が転生して成長していくところがいい
- いわゆる俺TUEEEEE・チート・主人公無双じゃないところがいい
- 世界観がしっかりしている
- 「人間」が描けている
- 完結しており、読後感もいい
主人公・ルーデウスが異世界に転生し、赤ん坊から人生を再スタートすることになる無職転生。
幼児期、少年期、青年期と区分けされた章ごとに、後悔ばかりの前世の記憶を持つ主人公がそれを戒めとし、あるいは糧として困難に立ち向かう描写に「面白い」という評価が多く集められました。
主人公やほかのキャラクターたちの人物設定もただ強いだけではなく、読み手が共感できるような欠点や憎めなさを盛り込んでいるところがハマっていく理由の1つですね!
作者特有の、軽妙でありながら骨太な筆致にも注目していただきたいです!
親子再会のシーンが面白い
無職転生では、一貫して「家族」というテーマがあります。
トラウマに近い前世の記憶を持ちながら、赤ん坊として異世界で転生したとき、主人公ルーデウス・グレイラットは両親に抱きかかえられ、祝福されて生まれました。
父パウロ、母デニス。
ルーデウスの剣と魔法の才能を知り、それを伸ばすよう師匠を与えたのも彼らです。
妹のノルンとアイシャも生まれ、メイドのリーリャと共に一家は仲良く暮らしていました。
なのにルーデウスの10歳の誕生日の翌日、魔力による災害によって一家は住む村ごと世界各地へバラバラに転移させられます。
世界地図を見てみてください。アフリカ、モンゴル、南極、オーストラリア。
こんな規模でなんの用意もなく、突然、見知らぬ土地に放り出される。
無職転生は魔法がある世界といっても、再会は容易ではありません。
「第5章 少年期 再会編」で、ようやくルーデウスは父と再会することができます。
けれど、極限の環境で、それぞれ困難と絶望になんとか向き合っていた二人は、反発したり、再会を喜ぶどころか、殴り合いの喧嘩になってしまいます。
「自分はこんなに苦労したのにどうしてお前だけ。ルーデウスは天才であるはずなのに、どうしてもっと家族を探さなかった」と相手をなじるパウロ。
「そんなこと言われたって自分は精一杯やった。結果論で責められても困る」というルーデウス。
二人とも悪くないのに、父は再会を手放しで喜んでくれると思っていた息子と、まだ11歳でしかない息子を天才だと期待しすぎた父とで、お互いへの幻想からすれ違いが起きます。
第四十七話「パウロとの再会」で、周りのひとたちのとりなしもあり、ようやく二人はお互いが生きていたことを素直に喜び合うことができるのですが、この回がおもしろいんです↓↓
- パウロは必死の思いで、ずっと家族の足取りを探していた
- ルーデウスも相当つらい目にあったが、再会当時、父を心配させまいとわざと旅の内容をおどけて伝えた
- ルーデウスは前世とあわせても、親に拒絶されたのは初めてだった
- ルーデウスは前世の記憶があったからこそ、パウロの気持ちを理解することができた
身一つで見知らぬ土地に放り出され、家族とも離れ離れに。
そんな中で生き抜き、再会することのできた父子。
単純によかったよかった、では済まないのが、人間臭いやり取りを経てようやく和解ができるのが、この作品の魅力です。
私たちだって、家族といつも仲がいいわけではありません。
時には意見が対立し、喧嘩になり、自分を否定されたと傷つくこともあるでしょう。
物語とはいえ、読んでいてもつらいものがあります。
でも父と子が、対等に自分の意見をぶつけ合うところは、読んでいて胸が掴まれます。
面白いです!
無職転生は面白くない?
夏アニメで無職転生が2期やるから
1期を初めから見てるけどやっぱり面白い☺️
ついつい次ってなって見てしまう!見てない人は絶対見て欲しい作品!
#アニメ
#無職転生 pic.twitter.com/BRU5W0NlIo— さとし(ラブひな) (@satosi5489) June 10, 2023
先ほどは、無職転生が「面白い」という意見をご紹介しました。
ここから、その逆に「面白くない」「つまらない」という意見をまとめていきます。
どのような部分が批評されているのか?
早速、ご紹介していきます↓↓
面白くないという評価・評判
無職転生が「面白くない」「つまらない」という評判です↓↓
無職転生で検索かけたら気持ち悪いって出てきて、まあそうだろうなって pic.twitter.com/OKLJSKgfmh
— 将軍 (@maru2342) November 10, 2021
無職転生おもんないなぁ
主人公クズすぎてᐡ. ̫ .ᐡ— ⸜ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸝ (@sofa_0w0) May 7, 2022
今までの転生なろうは現代の知識や技術を使って頭悪い異世界で無双だったけど、無職転生はクズで常識のないニートが倫理観がない異世界で無双って感じがする
どちらかと言えば後者の方がきつい— レブ (@rebukara) February 13, 2021
無職転生
5話くらいで脱落
妙に生々しい描写が多く、ちょっと苦手でした。
メイド?に浮気していたのが切る決め手になりました。
僕にはちょっと無理でした。— ビームちゃん (@chan1chan2chan0) June 10, 2023
無職転生は生々しい所も魅力な作品なんだけど、そこだけ切り取ってハイどうぞされたら、そりゃあ普通は「うっ」ってなるでしょうよって話なんですよね。
下地…たとえて言うなら、登場人物の人柄とか世界観とか、そういうのを知った上でのそれなら、まだ受け入れられるって人も多くなるわけで。— ちゃーぼう (@TweviqoE) August 29, 2021
以上「面白くない」「つまらない」という意見でした。
面白くない意見まとめ
- 前世の主人公が気持ち悪い
- ルーデウスが人間的に成長するまでが長い
- 一夫多妻制という世界観が嫌
- いじめや不倫の描写がある
- 人間の嫌な部分の生々しさがある
現在、縦書きで、紙に印刷された小説やライトノベル。
横書きで、一話一話を区切って読むウェブ小説。
ここには明確な違いがあります。
漫画やアニメのように、毎回山場を作り解決策を見出すなろう系小説。
小説を読むということへのハードルを下げ、インスタントに楽しめるという特徴があります。
その一方で、普通の小説のように主人公が苦悩したり絶望し続けていることを、あまり望まない読者が多いです。
なろう系小説に多くの読者が求めるのは、読みやすさと爽快感。
抑圧されていた主人公が、圧倒的な力を手にして周囲を見返す。
過去の抑圧描写は少なく、「ざまあ」描写は派手であればあるほどいい。
その点、人物描写をしっかりとして絶望や挫折を繰り返すことで人間の厚みを出す無職転生のあり方は、今の読者層が求めるものとはずれてしまっているのかもしれませんね。
無職転生は、なろう小説の先駆けといえる作品だということもあるでしょう。
ウェブ小説にどんどんノーストレスな作風を求めるようになっていった読者からすると、少し重たいのかもしれません。
露悪的な部分がつまらない
個人的にも、読んでいて主人公たちの性描写が気になることもあります。
特にその描写は序盤に偏っており、前世の主人公が露悪的なロリコンで本当に「どうなのか・・」と思う描写が多いです。
そりゃ前世で「兄弟たちから縁を切られるのもやむなしでは……」というほどです。
ただ、これに関しては前世でいじめを受け、人生をゆがめられた主人公が死に際に「本当にひどい人生だった、もしやり直すことができるなら、ああはならないようもっとがんばろう」と誓うことに説得力を持たせるため必要な描写と言えなくもないです。
また、性欲は人間がもつ当たり前の欲求のため、人間を描くうえではどうしても避けられない描写の一つです。
エンタメにエログロナンセンスはつきものですし、読者の興味関心も買いやすいですしね。
だけど、そこが「鼻につく」「読んでいて気持ち悪い」と敬遠したり、「面白くない」とする意見にも、一部納得はできます。
【無職転生】口コミレビューまとめ
無職転生 学園編は
ルーデウスが出会う人が固まりつつあるから2期1クールは学園編じゃないかなと思う
フィッツ(シルフィ)ですね。
エリスが登場皆無な気がします。 pic.twitter.com/0nOWVxWUee— たた (@5GClE608pItYDvm) December 11, 2022
面白いという意見
- クズだった男が転生して成長していくところがいい
- いわゆる俺TUEEEEE・チート・主人公無双じゃないところがいい
- 世界観がしっかりしている
- 「人間」が描けている
- 完結しており、読後感もいい
面白くないという意見
- 前世の主人公が気持ち悪い
- ルーデウスが人間的に成長するまでが長い
- 一夫多妻制という世界観が嫌
- いじめや不倫の描写がある
- 人間の嫌な部分の生々しさがある
以上、『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』についてでした!
同じ作品を読んでいても、人によって全く違う感想を抱くのが人間です。
過去、思想、体験、モットー……ひとりひとり違って当たり前なので、シーン一つをとっても「この生々しさがキャラクターたちに命を与えていていい」「この生々しさが生理的に受け付けない」と、正反対の意見があるでしょう。
ですが、無職転生をウェブ小説・アニメで楽しませてもらっている私としては、とても面白い作品だと自信を持って言えます!
これを機に無職転生に興味を持った方は、ぜひ原作やアニメをご覧ください^ ^