ある男-谷口はなぜ戸籍を交換した?原作と映画の違いについても

公開日: 2024年4月20日 | 最終更新日: 2024年4月20日

 

映画【ある男】は同名小説を原作に、妻夫木聡主演で上映されました。

間違いなく傑作映画ではありますが、原作小説を読むことではじめて補完される情報もあります。

たとえば、本作中に出てくる本物の「谷口大祐」とは、いったいどんな人物だったのでしょうか?

映画では語られなかった、原作小説でのみ明かされるエピソードも込みで解説していきます!

この記事を読んでわかること
  • 本物の「谷口大祐の人物像
  • 谷口が「戸籍交換した理由
  • 谷口の「その後の動向

 

 

 

 

谷口はなぜ戸籍を交換した?

 

前提として、「谷口大祐」とは、窪田 正孝さん演じる「X」が名乗っていた名前です。

しかし「X」の死後、彼が名乗っていた「谷口大祐」の名前・人生は別人のものであると判明し、じゃあ彼はいったいどこの誰だったの?と「X」の真実探しをすることが、物語の大筋でした。

物語中盤で、「X」と「谷口大祐」は戸籍を交換していたということが明らかになるのですが、、、

そもそも、なぜ「殺人鬼の息子」という忌むべき過去を持った「X」と、「谷口大祐」は戸籍を交換したのでしょうか?

下記項目で解説していきます!↓↓

 

理由① 伊香保温泉という老舗旅館の次男のハードル

戸籍を交換する前、本物の谷口大祐は、群馬県にある伊香保温泉の、老舗旅館の次男として生まれました。

伊香保温泉といえば、古くは万葉集にも記載され、夏目漱石や与謝野晶子も訪れたとされる名湯です。

その老舗旅館ともなれば、幼いころの谷口大祐も、朝な夕な、お得意様をはじめとした観光客の対応に追われる両親を見て育ってきたことでしょう。

実家がデカいというのも場合によっては考え物で、なにかしたら「〇〇旅館のところの息子か」「〇〇旅館の看板を汚すなよ」と揶揄されることもあったのではないでしょうか?

 

「殺人鬼の息子」に比べたらはるかに恵まれた環境であるでしょうが、その苦労は実際にそこで育った谷口大祐にしかわからなかったと思います。

これが谷口大祐が自身の経歴を倦んで、ついには戸籍交換にまで踏み切った第1の理由です。

続いては、第2の理由です↓↓

 

 

理由② 長男・恭一との比較や跡継ぎ問題

 

常に家業に追われるような生活でも、ガッシリ家族と連携して事に当たれたら、むしろ谷口大祐も楽しく働けたかもしれませんね。

しかし、大祐は次男であり旅館の後を継ぐのは長男の恭一であると両親は決めていたようでした。

「兄弟っていうより、親の問題なのかなと思いますけど。……よくある話ですけど、どっちが家を継ぐかで、両親の考えが揺れたんですよ。恭一くんが家業を継がないって反発してたから、ダイスケを保険にしてたんです。だったらもう、ダイスケに継がせてあげればいいのに、恭一くんが心変わりするなら、いつでもって感じで、曖昧な態度を取り続けてましたから。ダイスケの人生も宙ぶらりんになるでしょう?」

(平野啓一郎「ある男」より引用)

 

こういうのはしんどいですね……

さらにですよ、この長男の恭一というのが、映画を見た方はもうご存じでしょうが、めっちゃ嫌な奴なんですよね。。。笑

モラハラ・パワハラは当たり前で、どうやらセクハラもしている役満クソ野郎です。

こんなんが兄にいたら大祐も大変だったろうな、ということは想像に難くありませんね。

 

昔から、なにかと要領の悪い(本当に悪い)大祐と違って恭一は優秀でした。

しかし、旅館を継ぐことに反発していた恭一は非行を繰り返しており、そのしわ寄せも大祐にいっていたようです。

両親も「恭一はだめかもしれない……」と諦め、ならばと大祐を跡取りにしようとしたこともあった……のですが、結局は長男の恭一がその場に収まることになりました。

やってらんねえ!と大祐が思っても、仕方ないかもしれませんね。

 

理由③ 父親への臓器移植 (ドナー)

そしておそらく、大祐にとっての決定打は、父親が病に倒れたときのことでしょう。

父親は生体移植を必要としており、唯一適合したのが、大祐でした。

 

しかし、移植手術については、提供側も完全にノーリスクでいられるとは限りません。

提供側に後遺症が残ったり、あるいは死亡したりという事例もゼロではなく、そのため、大祐は二の足を踏んでいました。

そしてようやく大祐に提供の決心がついたとき、もう父親の病気は手遅れなくらい進行してしまい、父親は大祐を恨みながら逝ったということです。

決心が遅すぎたと母親は泣き崩れ、兄からは軽蔑され……

ここで大祐は、本当に谷口家が嫌になったそうです。

 

 

原作と映画の違いについて

 

と、上記で「美涼(大祐の高校時代の恋人)から見た大祐」に基づいて解説しましたが、「X」の死後も大祐は生きていたわけです。

「X」探しのさなかで、弁護士の城戸は現在の谷口大祐を見つけることに成功しました。

戸籍を交換し、今は「曽根崎」として生きる大祐について、小説版では、城戸は直接対話して情報を得ました。

以下では、映画版では見られなかった城戸と大祐の対話をもとに、映画版ではまるごと削除された現在の大祐の思いについて解説していきます↓↓

 

 

違い① 谷口大祐の「その後」の描写

「X」と戸籍を交換した谷口大祐は現在、「ヤクザの息子」という経歴の「曽根崎」として生きていました。

実際に対面した城戸は、美涼の話で聞いていた大祐と、目の前の人物の印象にずいぶん差があると感じます。

美涼の記憶が美化されていたのか、あるいは、「ヤクザの息子」と戸籍を交換してから大祐が変わってしまったのか。。。

現在の大祐が、彼がずっと苦手に感じていたはずの恭一に似た、居丈高で偉そうで、でも小心そうな人間のように、城戸には見えたようでした。

「曾根崎さんは、……今は何されてるんですか?」

「俺は、……まあ、色々。いいじゃないですか、それは。」

(平野啓一郎「ある男」より引用)

 

また、弁護士という肩書を持つ城戸に対し、多くは語りませんでしたが、現在の大祐もあまり満足した人生を送っているようではないことが察されます。

「谷口大祐」として幸せな家庭を築いた「X」について、「いいなぁ」「うらやましい」「(戸籍を交換したことを)失敗したかなあ」「俺がそのS市に行ってたら、俺がその人と結婚することになってたのかな」などと漏らす始末。

アニ木
アニ木
ここで「無理に決まってんだろ」と言わない城戸は優しいね!

彼は城戸と話したこの直後に、かつての恋人であり、「谷口大祐」としての唯一の未練であった美涼と再会したはずですが、再会後にどうなったのかは、小説でも語られていません。

 

違い② 谷口大祐から見た「X」の印象

谷口大祐の戸籍は、人気があったんですよ。犯罪歴もない、きれいな過去だったから。何回か戸籍を変えて、わらしべ長者みたいに俺の戸籍に辿り着いた人までいましたからね。俺もその頃は、とにかくあの家族と縁を切りたい一心で、相手は誰でも良かったんですけど、前科があるのは嫌だったし、財産目当てで、あとで谷口家と悶着を起こしそうなヤツも困るし。で、原さんに会って、色々話をして、この人の人生が良くなるならって思って。」

(平野啓一郎「ある男」より引用)

 

「X」は「殺人鬼の息子・原誠」から「ヤクザの息子・曽根崎」を経て、「谷口大祐」の戸籍を獲得しました。

「原誠」も「曽根崎」も脛に傷のある経歴でしたが、特に親や環境が(少なくとも一見しては)悪くない大祐のような人間が、戸籍交換ブローカーに話を持ち掛けることは稀だったのでしょう。

だからか、大祐は、あくまでどの戸籍と交換するかを選ぶ側だったんですね。

もちろん「交換」というからには双方の同意がないと成立しないわけですが、本人の言う通り「人気」だったことは想像に難くありません。

そんな大祐が交換相手に選んだ「X」はかつて、「殺人鬼の息子」という、本人にはどうしようもない経歴のため、人生をめちゃくちゃにされていました。

 

しかし本人の人柄はとてもまじめで、真摯で、「殺人鬼の息子」という色眼鏡で見られることから(彼自身の目も含め)解放されると、ひどく人好きのする好青年でした。

それを大祐なりに感じ取って、「この人なら」と交換をしたことで、本編がスタートしたのです。

これはどうしようもない経歴の中でも「X」がそうと知らないままに守り切った、「X」だけの美徳だったのかもしれませんね。

彼だからこそ里枝と共鳴し、愛をはぐくみ、家族を築いて、ほんの数年間、幸せに生きられたのでしょう。

アニ木
アニ木
マジで「俺がそのS市に行ってたら、俺がその人と結婚することになってたのかな」じゃないんだよ。マジで。

 

違い③「 大祐と美涼と兄との三角関係」と城戸

 

「恭一くんは、弟をバカにしてたから、わたしがダイスケとつきあいだしたことが、どうしても許せないんです。」

(平野啓一郎「ある男」より引用)

 

谷口兄弟は、兄は弟を馬鹿にし、弟は兄にコンプレックスがある関係でした。

しかし高校生のときの美涼は、当時モテていたらしい恭一ではなく、大祐と恋人になったのです。

これが恭一のプライドに障ってしまい、当時から三角関係のようになっていた挙句、美涼は大祐が失踪した今でも恭一から色目を使われていたようでした。

アニ木
アニ木
本当に気の毒

 

そして、実は「X」探しの過程で城戸は、美涼に惹かれていました

一方で美涼もまた、城戸に惹かれていたようです。

この感情の揺れ動きは、小説でははっきりと明記されていることですが、映画だと本当に勘のいい視聴者だけしか気づけなかったのではないでしょうか?

カットされた理由は、「X」探しのストーリーラインに直接関係ないことと、あとラストのオチに持っていくのに、城戸に不倫めいた気持ちがなかったほうがわかりやすかったからでしょうかね?

 

しかし小説版でも、城戸は不倫を選ばず、美涼も「この一年、好きな人がいた」と城戸に告げる以上のことはしなかったのです。

だから2人は、ここでどんな関係にもならずに終わりました。

……そして、もちろんこんな城戸と美涼のやりとりの一連を、谷口大祐は知りません。

考えても詮無いことですが、もし、城戸が大祐を訪問するにあたり、美涼とともに乗り込んだ電車の中で「美鈴の告白」を受けていたら……城戸と美涼と同時に対面しただろう大祐は、いったいどうなっていたのでしょうか。

「谷口大祐」は「城戸の人生」において、あくまで「脇役」にすぎないキャラクター、道化のような立ち位置であることが示唆される一幕かもしれませんね。

 

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【ある男】谷口の戸籍交換の理由まとめ

まとめ
  • 谷口大祐は家族との折り合いが悪く、別人として生きたがっていた
  • 「X」の人柄を見て、この人とならと戸籍の交換を決めた
  • 現在は「曽根崎」として生きるも、決して満足そうではない
  • 美涼と再会してどうなったかは、今の谷口の人間性次第

 

以上、谷口大祐が戸籍を交換した理由のまとめでした!

人間は環境によって左右されるし、その中でいくらでも人間性が変化していきます。

「谷口大祐」の戸籍を得て、幸せな数年間を過ごせた原誠

「曽根崎」の戸籍を得て、大嫌いな兄とそっくりになってしまった谷口大祐

 

生まれ持った戸籍を交換せねばならないほど追い詰められていた2人の差は、いったい何だったのでしょうか。

そして谷口大祐は今後も、曽根崎として生きていくしかないのでしょうか?

皆さんはどう思いましたか? ぜひご意見をコメント欄からお寄せ下さいね!

 

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