スタジオポノックとジブリの関係や違いは?作品や今後についても解説!

公開日: 2019年9月2日 | 最終更新日: 2023年7月30日

 

みなさんは“スタジオポノック”を知っていますか?

 

そして、”スタジオ“と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?

 

私は、スタジオと聞くと“スタジオジブリ”が思い浮かびます。

 

実は、”スタジオポノック“は”スタジオジブリ“が解散してその後作られたアニメ制作会社です。

このポノックとジブリは、一体どんな関係なんでしょうか?

 

今回は、そんな”スタジオポノック“と”スタジオジブリ“についてお話します!

 

 

 

ポノックとジブリの関係は?

まず、よく勘違いされていることなんですが、スタジオポノックとジブリは”別の会社“ということです。

 

ジブリは、“故・高畑勲”“宮崎駿”両監督と“鈴木敏夫”デューサーの3人がメインとなって作品を作ってきました。

スタジオポノック誕生のきっかけはジブリの解散?

数々の名作を生み出してきたジブリですが、2014年に作品を手がける制作部は“解散”しました。

営業不振が原因と噂されていますが、誰も知るところではありません。

 

スタジオポノックは、ジブリ制作部解散後に退社した“西村義明”氏によって設立されたアニメーション会社です。

西村氏は、”かぐや姫の物語“や”思い出のマーニー“のプロデューサーを務めた実績もあります。

ずっとジブリ作品を手がけてきたにも関わらず、急に制作部が解散になり、さぞかし大変だったことでしょう。

解散後、西村氏は今後のアニメーションの行く末に“不安と焦燥”を抱いたことで設立を決心しました。

 

借りぐらしのアリエッティ“で監督を務めた“米林宏昌”氏を迎えて、スタジオポノックは新たな作品を手がけてくことになります。

 

 

スタジオポノックとジブリの違いは?

スタジオポノックとジブリの大きな違いは2点あります。

 

 

1.作品テーマの違い

ジブリ後期に故・高畑監督、宮崎両監督は“生と死”を作品のテーマにしていました。

一方、スタジオポノックは“今描けるもの”としています。

 

その理由が、“まだ死について答えを出せていない”ことです。

ジブリのテーマ”生と死“を引き継いでアニメーションを制作したとしても、テーマの答えが分かっていない以上、良い作品はできないだろうと西村氏は言います。

 

“先人の教えを活かしつつ、真似事はしない”

このような強いメッセージが隠れているように私は感じます。

 

西村氏は、”今作るべき作品を作る“だけ、”今描けるもの“と、“今の時代・今の状況や境遇だからこそ描ける作品=スタジオポノック”と定義づけ、新たな作品を手がけていきます。

 

2.だれの為に向けた作品か

ジブリ在籍時には、作品の決定権が宮崎監督にありました。

監督なので当然と言えば当然ですが、それゆえボツになった案も多かったようです。

 

スタジオポノックとして打ち出す初の作品“メアリと魔女の花”は、ジブリ当時に発案されていたら”まず案が通らなかった“と西村氏は言っています。

 

視聴者に向けたアニメーションを行うのが当たり前ですが、当時は“誰かに伝えたい作品”というより、“宮崎監督に認めてもらう作品”に考えがシフトしていたようです。

確かに、案が通らなければそれ以上もありませんからね。

 

しかし、スタジオポノックでは現在、米林監督のために1つの作品を手がけるチーム一丸となる状態ができているそうです。

“西村氏と米林監督、制作スタッフのチームワーク”によって出来上がる作品が楽しみですね。

 

スタジオポノックの作品

スタジオポノックは“劇場短編”“劇場長編”の2種類あります。

 

劇場短編は3作品 「ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-」

劇場長編は1作品 「メアリと魔女の花」

(2019.9月時点)

 

 

劇場短編「ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-」

スタジオポノックは、3作品で約1時間となる短編作品ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-“を完成させています。

1作品あたり約15分で、3作品ともそれぞれ監督が違い”独特の世界観“が表現されています。

 

ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-“について記事を書きましたので、詳しくはこちらをご覧ください>>>>>

【ちいさな英雄】面白くないしつまらない?ポノックの作品の評価・評判についてまとめ

 

劇場長編「メアリと魔女の花」

スタジオポノック初の長編作品となる”メアリと魔女の花“ですが、タイトルに“魔女”と入っています。

この作品のキャッチコピーは「魔女、ふたたび。」です。

https://twitter.com/ghiblidaiski/status/1166231879365750784

 

長編作品で魔女と聞くと、“魔女の宅急便”を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

 

メアリと魔女の花は魔女の宅急便のオマージュ?

ネット上でも目にすることがありますが、”メアリと魔女の花“は”魔女の宅急便“のオマージュという意見です。

共通点も多いことから噂されていますが、スタジオポノックの西村氏はこう言っています。

「宮崎監督のナウシカ、ラピュタやトトロは興行的に赤字だった。それを救ったのが『魔女の宅急便』の成功だったんです。一方、米林監督作品はアリエッティとマーニーを作って次で3本目。ジブリの冠なしに映画を作る勝負作となるだろうと。だったら、僕らも魔女で勝負をしたい……ゲン担ぎですね」

引用元:BuzzFeed ジブリと宮崎駿の呪い “リストラ”された後継者たちの「その後」

https://www.buzzfeed.com/jp/yuikashima/studioponoc-studioghibli

 

あえて、成功作の”魔女の宅急便”にぶつけることで、良い方向へ向かうと考えたのでしょう。

オマージュというよりは、ゲン担ぎだったんですね。

 

メアリと魔女の花はジブリの魔法?

アニメーション界でジブリを知らない人間はほとんどいません。

天下を取ったジブリの影響力はすさまじいものがありました。

しかし、その影響力が今やスタジオポノックにとってマイナス要因となっているのです。

 

スタジオポノック制作スタッフは元ジブリで働いていたそうです。

その数なんと“8割”

なので、“ジブリの後継”“第2のジブリ”と言われたりしています。

 

ジブリの意思は受け継いでいるものの、後継ではないため本来作品をジブリに似せる必要はありません。

それはスタジオポノック側も重々承知で、作品を似せるつもりはなくスタジオポノックの目新しさを追求しています。

 

しかし、視聴者はやはり“ジブリの作品をイメージ”します。

これこそが“ジブリの魔法”です。

“ジブリの呪い”とも言われています。

 

メアリと魔女の花の結末は”魔法をなくすこと“でした。

スタジオポノックが、ジブリという魔法にかけられている状況をうまく再現しています。

 

 

スタジオポノックの今後は?

前述しましたが、スタジオポノックはジブリを受け継ぐ会社として高いハードルを課されています。

今後、スタジオポノックはまず“このイメージを払拭”しなければなりません。

 

これには多くの作品を制作する必要があり、かなりの年月がかかると思います。

長いジブリの歴史“はそう簡単に断ち切ることはできませんが、スタジオポノックが”ジブリの呪い“から抜け出すためには、前進するしかないでしょう。

 

スタジオポノック作”オリンピック短編アニメーション”

スタジオポノックは、“2020年オリンピック”の短編アニメーションを制作することが決定しています。

 

オリンピックを通して、”若い世代へのオリンピックへの価値観の訴求“のため、国際オリンピック委員会(IOC)が共同制作するパートナーをスタジオポノックに見出しました。

“メアリと魔女の花”が世界中で大ヒットしたことが理由です。

 

IOCは、パートナーと共同でアニメーション制作すること自体初めてです。

イメージとして、オリンピックの競技を描くのではなく、“なにか子どもたちに向けて描いてほしい”という強い思いがあったそうです。

 

これについて、スタジオポノックの西村氏のコメントです。

「世界で初めてオリンピズムをアニメーション映画として表現する貴重な機会に恵まれ、大変光栄です。世界的行事のイズムを表すという分を超えた仕事に、重圧はありますが、オリンピックを楽しみに待つ世界の子どもたちの顔を思い浮かべながら、美しく、楽しく、そして歓びをもって、競争の末にオリンピックが見せてくれる“もうひとつの価値”を真正面から描きたいと思っています」

引用元:スタジオポノック、オリンピック短編アニメーションをIOCと初の共同制作

https://www.cinematoday.jp/news/N0109227

 

・”こども“に向けてというコンセプトからどのような作品となるのか

・スタジオポノックらしい”新しい風“を吹かすことができるのか

・今後のスタジオポノックの作品に”影響を与えれる“ような作品となるのか

 

以上、個人的に気になっている点です。

いずれにせよ楽しみですね!

 

スタジオポノックについてまとめ

スタジオポノックとジブリとの関係性や、作品についてお話してきました。

・”ジブリの呪い“の払拭

・オリンピック短編アニメーション作品の大成功

 

スタジオポノックらしさを表現して、オリンピックという大きな舞台で大成功を収め、世界中にアピールしてほしいですね。

評価が伴えば、ジブリの呪いを払拭できる日はそう遠くないかもしれません。

 

壁は高いですが、時間をかけ1つ1つ越えていってほしいですね。

 

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