『もののけ姫』は、ジブリ作品の中でも特に人気があり、宮崎駿監督の”最高傑作”とまで評れることもある作品です。
直接的に描かれていない、また本編だけでは把握しきれない設定や裏話なども多くあり、ジブリファンの間では様々な考察がなされていますよね。
また、宮崎駿監督の実体験を『もののけ姫』の世界で表現しているシーンもあります。
その中でも、古くから社会で問題となっていた「ハンセン病」の患者も登場している節がありました。
今回は、このハンセン病の患者について、『もののけ姫』の中でどのようにして描かれているのか見ていきます↓↓
目次
ハンセン病は治った?
タタラ場で働く病者が、何の病気であるか映画の中では描かれていませんが、ハンセン病の患者たちです。
宮崎駿監督は講演会で、こうした病気を持つ人たちがいたことを知ってほしくて、『もののけ姫』でハンセン病患者を登場させたと話しています。https://t.co/wfzm3seY6Y pic.twitter.com/iOMGtgE8Dj— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) August 22, 2022
「ハンセン病」とは、1900年代から流行した感染症のことです。
この病気は、「らい菌」という病原菌が原因で起こるもので、神経麻痺や皮膚に影響が出てしまう病気です。
早めの治療を施さなければ顔や指などの体の一部が変形してしまう、という恐ろしい一面もあります。
感染力はあまり強くなかったようですが、当時治療法などが存在しなかったことからハンセン病患者は”隔離”されてしまっていたようです。
そんなハンセン病患者が、作中で描かれているのはエボシ御前の国である「タタラバ」のシーンです。
タタラバには顔や身体を包帯で覆っている数人の人物がいましたが、彼らは作中で「ハンセン病」であると明言はされていません。
しかし宮崎監督から直接、彼らはハンセン病患者であったことが明かされました。
そんな彼らが、『もののけ姫』のラストでどのように描かれているのか解説していきます。
最後はシシ神の液体によりケガも病気も完治した
『もののけ姫』は主人公のアシタカとサンが、シシ神とシシ神の森を救うシーンを経て終幕へと進んでいきます。
最後にシシ神が復活した後、大きな身体から大量の液体が周囲に流れ出すシーンがありますよね。
そこで、ハンセン病患者らしい人たちが、自分の手のひらを見つめて驚いていました。
あのシーンこそが、シシ神の不思議な力によってハンセン病が治癒していく瞬間であったと捉えられます。
また、ハンセン病患者に限らず争いで傷付いた人たちもケガが治っていくという、なんとも印象的な場面です。
人間側から見ればエボシ達による森の開拓は失敗に終わってしまったわけですが、自然が救われるだけではなくきちんと人間側にも希望をもたらしたラストになっていました。
元々タタラバには病気で隔離される人が多くいた
先ほども触れましたが、タタラバにはハンセン病に関わらず病気で隔離されている人が多くいたと考えられます。
しかし、エボシ御前の計らいでタタラバで暮らす患者たちは誰も差別されている様子が無く、困っているようにも見えませんでした。
作中のタタラバの様子を考えると、製鉄所であったこともあり周囲から狙われていたり、まだ発展途上であるためタタラバは非常に不安定な状態でした。
そのため、感染を広げないためにも病気になってしまった住民は、隔離されていたのだと思います。
その様な中でも、見捨てたり差別をすることはしないエボシ御前の優しさや懐の深さを感じますね。
手足や顔が変形するハンセン病だと言われる
ハンセン病は、「らい菌」によって神経が侵されてしまうことで手足や顔が変形してしまう病だと言われています。
また、皮膚がただれてしまうこともあるようです。
身体に目に見えてハンセン病の影響がでてしまうこともあり、感染力自体は弱かったものの非常に恐ろしい病気として知られていました。
タタラバで、顔や手足に包帯を巻いていた人々は、おそらくハンセン病の影響で顔などの一部が変形してしまっていたのかもしれません。
そんな彼らの包帯を、エボシ御前が巻き直してくれるという設定は印象的です。
包帯はハンセン病の治療+隠すため
そして、タタラバで隔離されていた人たちが巻いていた包帯は、恐らくこのハンセン病による体の変形を治すため、または隠すためであったと考えられます。
今では、きちんとした治療法や薬があるようですが、『もののけ姫』が舞台となっている時代には、まだ有効な治療法などが存在しませんでした。
包帯をまくことで、身体が激しく変形してしまうのことを避けようとしたり、変形してしまった部分を周囲に見られないように隠していたのではないでしょうか。
タタラバの住民が、ハンセン病であったと知るまでは、あの包帯でぐるぐる巻きにされている身体を見て、”とても重い病気なんだろう”と思いながら見ていました。
実際に、宮崎監督がハンセン病患者の療養所に行ったという話は有名ですが、その時に目撃した様子をそのまま『もののけ姫』で描いていたかもしれませんね。
ハンセン病は感染力が弱く蔓延することはなかった
ハンセン病の原因となっていた「らい菌」は、感染力が弱かったということが今では判っています。
それが、当時の医療体制では判明しなかったため、ハンセン病患者は隔離されてしまい周囲にも「ハンセン病=怖い病気」という印象がついていたのだと思います。
元々、弱い感染力だったところに隔離などの対策が取られたため、ハンセン病が爆発的に広まることはなかったようです。
『もののけ姫』のタタラバにおいても、ごく数人の住民しか病気にかかっていないようだったため、感染力の弱さについてもよく表現されていたのでしょう。
エボシは業病の者に銃を作らせていた
タタラバを守っていたエボシ御前は、ハンセン病の患者であっても差別や迫害をすることなく、平等に接しています。
また、包帯を変えるなどの世話も自ら行っているようでした。
そこからエボシが、社会的弱者に対しても平等に接する心優しい人物であったことが分かります。
さらに、彼らに銃をつくるという”仕事”を与えていました。
感染症にかかった者は、周囲から迫害されてろくな仕事にもつくことができなかったという時代もあったようなので、エボシ御前がいかに懐が深いかが伝わってきます。
宮崎監督の描くエボシ御前の姿に、心が救われたり励まされたりする人もきっといたことでしょう。
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参照元 : スタジオジブリ STUDIO GHIBLI 公式サイト
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【もののけ姫】ハンセン病の完治についてまとめ
もののけ姫、包帯巻いてる人たちはハンセン病患者を描いているといわれていて。それは知ってはいたんだけど。ラストの突風でみんなの怪我とかが治るシーンで、包帯巻いてる女性の顔が見えるのよ。何十回も見てる作品なのに去年劇場で見て初めてそこに気づいて。思わずグッときたことを思い出した。 pic.twitter.com/VdPWfYTXJ0
— ウエノ🐈映画好きUIデザイナー (@designer_ueno) August 13, 2021
- 『もののけ姫』ではハンセン病が治った
- ハンセン病は手足や顔が変形してしまう
- ハンセン病患者に対してもエボシは平等に接していた
- 宮崎監督の実体験に基づいて描かれている
以上、もののけ姫の世界で描かれるハンセン病についてみてきました。
令和の日本でも感染症が流行っていましたが、そこから生まれる差別思考や格差などに宮崎監督は着目し、それを間接的に描いていたのです。
エボシ御前が、ハンセン病患者に対しても平等に接している様子は、当時の社会情勢にあった差別思考に対する批判の意味が込められているのでしょう。
そして、最後にはその病気が治るかのようなシーンを描くことで、希望持ってもらうという意図もあったかもしれませんね。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
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