映画【JOKER】に登場するアーサーは、みすぼらしいアパートで母親と2人暮らしをします。
母・ペニーは高齢なので、介護が必要でした。
ペニーは全て息子に頼るしかなく、アーサーもまた母の前では笑顔で明るく過ごすように心がけます。
年齢関係なく、お互いを思いやる親子愛を感じることができるシーンです。
しかし、いきなりその状況に変化が訪れます。
なんと、アーサーが母・ペニーを殺したのです!
なぜ、最愛の母親を手にかける必要があったのでしょうか?
今回は、【ジョーカー】のアーサーについてお話します↓↓
★この記事を見ることで、アーサーが母・ペニーを殺した理由が分かります!
目次
【ジョーカー】なぜ母を殺した?
『ジョーカー 』のアーサーん家とか普通に広いし部屋数多いしインテリアとかも小洒落てるけど、アメリカだと広さじゃなくて立地の治安で家賃が全然変わってくるそうな
とはいえアメリカ人にとってパラサイトとか万引き家族の「貧困」の家の描写はどう見えるんだろうね pic.twitter.com/8UxKkGQ0T6— 藤見よいこ (@fujimiyoico) September 17, 2020
アーサーは、老いた母親を大切に労っていました。
彼は道化師の仕事をしていましたが、収入は僅かで親子2人分の食費にも事欠く生活です。
貧困を極めましたが、2人は幸せでした。
夜に放送されるTVのトークショーを楽しみにしていて、一緒に笑いながらささやかな幸福に浸ります。
貧しく孤独だったアーサーにとって、ペニーはたった1人の肉親で、彼の唯一の理解者でした。
まさに、アーサーの人生の光と言える存在で、辛い仕事も母親がいるからこそ耐えることができます。
そんな幸せなアーサーですが、1つだけ悩みを抱えていました。
それは、自分ではどうすることもできない「笑いが止まらなくなる」という疾患です。
この結末によって、幸せな時間が崩壊していきます。
以下、解説します↓↓
アーサーは母親から笑ってしまう発作は病気だと言われていた
幼い頃からアーサーは、気持ちが動揺すると「笑いが止まらなくなる癖」がありました。
周囲の人間は、そんなアーサーを気味悪がり拒絶したり攻撃します。
母・ペニーは、アーサーを苦しめる原因は「病気のせいだ」と言いました。
ペニーは息子が悩む姿を身近で見てきたにも関わらず、「笑顔で人々を楽しませなさい」と言い聞かせ、彼を”ハッピー”と呼びます。
母親らしからぬセリフに、違和感を覚えました。
病気の症状を、逆にプラスに変えるという視点は悪くありません。
しかし、息子が悩んでいる以上、助けてあげるべき存在だったはずです。
ペニー自身も軽い認知症を患っていましたが、それが原因ではありません。
彼女とアーサーのやりとりは、今に始まったことではないです。
アーサーの疾患は、本当に生まれつきの病気によるものなのでしょうか?
この母子関係について、もう少し探堀りします↓↓
アーサーは実母だと思っていたペニーの養子だった
ペニーは、ある人物に頻繁に手紙を書いていました。
その人物こそ、まだアーサーが生まれる前にペニーが家政婦として働いていたころの雇用主・トーマス・ウェインです。
※後のバットマンことブルース・ウェインの父親
手紙には、アーサーはトーマスの息子だと書かれていました。
そして、アーサーはこの手紙をこっそり読んでしまいます。
彼はトーマスの元へ行き、ペニーの息子だと名乗り出ます。
トーマスも、ペニーの事をしっかりと憶えていました。
しかし、トーマスから驚くべき事実を聞かされます。
ペニーは過去に精神障害で入院していたことがあり、手紙の内容も全て彼女の妄想だと言うこと。
さらに、ショッキングな内容はそれだけにとどまらず、アーサーとペニーが本当の親子ではなく「養子」だということが判明します!
アーサーは、本当の父親に会える期待を抱き、一筋の希望を感じていました。
しかし逆に、絶望の淵へと追いやられます。
さすがのアーサーも全てを信じることができなかったため、教えられた精神病院に向かい事実を確認します。
そこで、さらなる追い打ちが待っていました。
過去にペニーの恋人だった男にアーサーは虐待されていた
精神病院の受付で、アーサーはペニーの記録を探してもらいます。
そこには、確かに「名前のない遺児を引き取った」という養子縁組の書類が保管されていました。
それに加え、ペニーが「子供の健康を危険に晒した罪」で有罪判決を受けていることが分かったのです!
記録によれば、当時ペニーと同棲していた恋人がDV男だったそうです。
ペニーと幼いアーサーの2人は、日常的に暴力を受けていたことが分かります。
発見された時、アーサーの体中には多くのアザがあり、頭に大ケガをしていました。
劣悪な生活環境のせいで栄養失調になり、DN男に身体を縛られて何度も何度も虐待を受けていたのです。
その事実は、当時の新聞の記事として残されていました。
ペニーは、アーサーを庇うことなく、ただただ虐待される姿を傍観していたと記されています。
母親の、闇の側面が垣間見えるシーンでした。
笑う癖は病気ではなくペニーが虐待を黙認していたことで後遺症が残ったもの
当時のペニーの証言を元に、アーサーは「虐待を受けている時も笑っていた」と記録に残されていました。
アーサーの笑いが止まらなくなる病気は、この時の虐待が原因だったのです。
もし、この時ペニーがアーサーを守るために保護要請を出していれば、今のように苦しんで生きることはなかったでしょう。
それを、ただの病気と言い張る母・ペニーに対して不信感が募ります。
人生を不幸にした根本的な原因が母親だと知り、アーサーは表現し難い感情に苛まれます。
信じていた母親の嘘に対する失望からアーサーは怒り狂い殺した
信じていたもの全てを失ったアーサーは、深い「悲しみ」と「虚無感」に襲われました。
彼は、笑いを止める事が出来ずに一晩中、大声で笑い続けます。
その後、脳卒中で倒れ入院しているペニーの元に訪れるアーサー。
彼女にハッピーと呼ばれていた人物は、別人に変化していました。
すでに、彼にとってペニーは母親でも何でもなかったのです。
アーサーにとって、目の前で眠っている老女は自分を不幸に陥れた、ただただ憎むべき存在でした。
複雑に絡まり合う負の感情から、アーサーという人格とは決別して、もう1人の自分を受け入れます。
「僕は病気なんかじゃない。これが本当の僕だ!」
本当の自分、それがジョーカーでした。
彼の決断は、現実を捨てて妄想の中で生きていくことを意味します。
気付けば母親の顔を枕で押さえつけて、窒息死させていました。
こうして、ようやく母親の呪縛から逃れることができ、ジョーカーとして自由の身になれたのです。
これが、アーサーの母親殺しの真相でした!
【ジョーカー】母親ペニーについてまとめ
ネトフリでJOKERを鑑賞した🤡
階段シーンなどホアキンの演技が素晴らしい🤟🏻
ココロでは泣いてるのに笑うことしか出来ないアーサーは切ない😭💦
アメリカ社会を表した良い作品🎦 pic.twitter.com/3CohLQiNeS
— 🦄RiN*チャソ🧜🏻♀️ (@rin_sakurai2015) September 15, 2020
まとめ
●アーサーは「笑いが止まらなくなる発作」に苦しみ、母・ペニーから病気だと言われていた
● 実母と思っていたペニーは義母で、自分は養子だった
●アーサーは過去に、ペニーの恋人だった男に虐待されていた
●笑う癖は病気ではなく、ペニーが虐待を黙認していたことが原因で、後遺症が残ったもの
●信じていた母の嘘に対する失望から、アーサーはペニーを殺した
アーサーの母・ペニーは精神障害の診断を受けていて、まともな育児ができませんでした。
そんな女性が、なぜ養子制度を利用することができたのでしょうか?
そして、アーサーも精神障害を抱え、入院した経歴があります。
映画の設定は1981年となっており、当時ゴッサムシティが長年荒れていて、行政が行き届いていなかったことになっています。
この精神疾患を持つ親子が2人きりで生活すること自体、現代ではありえないことです。
いかに、市と行政の関わりが希薄だということが分かります。
アーサーの最大の過ちは、精神障害を持っていた母親を愛しすぎたあまり、彼女の意のままに生きようとしてしまったことでしょう。
母親に対するひたむきな愛情の結果、狂気に満ちた「ジョーカー」を生み出してしまったと言えるのではないでしょうか?
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