【パラサイト 半地下の家族】は、”富裕層のパク家“と”貧困層のキム家“について、社会格差をテーマに描いた韓国映画です。
家と地下の中間「半地下」に住むキム一家は、大豪邸のパク家に寄生するようになります!
友人からの紹介をきっかけに、家庭教師や家政婦・運転手としてパク家に近付くのです。
実際に寄生することは悪いですが、キム家の行動はまだ可愛らしいものでした。
そして、その時は突如訪れます。
なんと、前触れもなくキム家の父親・ギテクがパク社長を刺し殺したのです!(パク家の父親)
今回は、ブラックコメディ映画【パラサイト 半地下の家族】についてお話します↓↓
- ギテクがパク社長を刺した理由
- 社長が無意識に行なった行為
- 「匂い」というキーワードについて
目次
ギテクはなぜ刺した?
ある雨の日、留守中のパク家でパーティなど好き放題していたキム一家。
そこに、突然、元・家政婦のムングァンがパク家を訪れ、そこからストーリーは急展開を迎えます!
ムングァン曰く、パク家の大豪邸の地下には夫・グンセが住んでおり、今後もここで生活したいとのこと。
キム一家は、この訴えに「今の優雅な寄生生活が脅かされる!」と恐れて追い出そうとします!
しかし、キム家はそれぞれ他人のふりをしてパク家に近付いていたので、逆に4人が家族であるという秘密をムングァンに知られてしまい言い争いに!
キム家は争いの末、どうにかムングァン夫婦2人を地下に閉じ込めて難を逃れましたが、その際、もみ合って負傷したムングァンは帰らぬ人となってしまったのです。
そして、後日パク家で開かれたインディアンパーティーで、地下にいるはずのグンセがいきなり地上に現れます!
ギウ(キム息子)は水石で殴られ、ギジョン(キム娘)は包丁で刺殺されてしまうのです。
これに激高したチュンスク(キム母)は、グンセを肉串で刺殺します!
ここから、物語はクライマックスへ移ります!
冒頭でも触れた通り、ギテクがパク社長を刺し殺した理由について見ていきましょう↓↓
ラスト結末でキム家の父親・ギテクはパク社長を刺した
先ほども触れましたが、インディアンパーティーでグンセに殴打されたダソンが倒れ、ギジョンが刺殺されます。
その様子を見たパク社長は、家族を守る為にギテクに車の鍵を渡すよう指示しました。
ギテクはすぐに投げましたが、パニックになっていたこともあり、手元が狂って鍵は”グンセの遺体の下“へ落ちてしまいます。
鍵を取ろうと遺体をひっくり返した際に、グンセの匂いを嗅いで「耐えられない」とでも言うように鼻をつまむパク社長。
その様子を見ていたギテクは、直後にパク社長に近付きそのまま刺殺します。
パク社長はこの出来事にほぼ無関係なのに、ギテクは社長を刺したのです。
「逃げてもらうために車の鍵を早く渡さないと!」と、数秒前まで考えていたにも関わらずです。
この謎めいたギテクの行動には、刺し殺すほどの深い理由があったのでしょうか?
キム家の母・チュンスクに刺されたムングァン夫を見て社長は鼻をつまんだ
刺されたギジョンの仇をとる為に、傍にあった肉串でグンセを刺し殺したキム家の母・チュンスク。
その後、ギテクが投げ損なった車の鍵は、グンセの遺体の側に落ちます。
急いでいるパク社長はグンセの遺体をひっくり返し、鍵を取ろうとします!
そこで、パク社長は不可思議な行動に・・
なんと、「鼻をつまんだ」のです。
周囲で殺人事件が起こり、なんとか家族だけでも逃がそうと躍起になっている最中に、なぜそんな余裕があるのでしょうか?
これは、遺体そのものを見たことではなく、地下にいたグンセが関係していました。
この行動は、地下住民の独特な「匂い」に対しての、パク社長の拒絶反応だったのです!
ギテクは社長の鼻をつまむ行為を見て激情した
ギウの計画で、キム一家がパク家に寄生し始めてから間もなくして、ダソン(パク息子)が「同じにおいがする」と発するシーンがあります。
あまり問題にならず過ぎていきますが、このセリフは伏線でした。
キム家族は他人のふりをして寄生生活を行なっているつもりでしたが、ダソンにはこの4人から発せられる「匂い」が共通のものだと分かっていたのです!
この何気ないダソンのセリフから、1つ分かることがあります。
まだ幼いダソンが、この「匂い」について1人で究明したというよりは、この事を誰かに教えてもらったということです。
あくまで考察ですが、おそらくパク社長でしょう!
そして、パク家族からは「発せられず」、キム一家の4人からは「匂いがする」最大の原因は、「貧富の差」です!
何気ないシーンから、「富裕層」が地下に住む「貧困層」を自然と見下している描写だと言えます。
この「匂い」について、気付いていたのはパク社長やダソンだけではありませんでした!
当事者のギテクも感じていたのです!
ギテクは運転手ということもあり、パク社長と長い時間「車内」に2人でいることが多くありました。
そこで度々、パク社長は「匂い」に対して嫌悪感を示す言動をします。
そのパク社長の反応を見て、ギテクは自身の「地下のにおい」を気にしていました。
これも伏線のように、ギテクが「匂い」に敏感になるシーンが各場面で描かれています。
パク社長は貧富格差を表す差別行為として「臭い」という行動を取っていた
ギテクは「金持ち=良い人ではない」という認識を持っていました。
良くしてもらっているパク一家のことだけは「そうではないと信じたい」というギテクの様子も垣間見えました。
しかし、その淡い期待は裏切られます。
先ほども触れましたが、日毎にパク社長はギテクのにおいを嫌がるようになるのです。
そしてある時、妻・ヨンギョに「度を越したにおいだ。地下室のにおいとも言える」と、ギテクのにおいについて漏らしているのを耳にしてしまいます。
「パク社長から一線を引かれている」と痛感したギテクにとって、においを嫌がるという行為は「地下に住む貧困層に対しての差別的行為」として捉えられたのでしょう。
ギテクは自身のプライドから差別行為をしたパク社長に怒りを感じ刺したと考察
【パラサイト 半地下の家族】では、様々なシーンに伏線が散りばめられています。
中でも、「匂い」は最も重要なキーワードで、貧富格差としての表現で、【パラサイト】では地下や半地下で住む者の象徴とされています。
また、画面では伝わらないその「匂い」を表現するのが、「鼻をつまむ」という行為でした。
グンセの「匂い」に対して鼻をつまんだパク社長の姿を見て、同様に地下に住む「自分たちのことも否定された」と感じた為、ギテクは激昂したのです!
そうして、怒り狂ったギテクはパク社長を刺したと考えられます。
ギテクにとって、貧困層である身分を否定するようなパク社長の差別的行動が、どうしても許せなかったのでしょう!
【パラサイト半地下の家族】ギテクが刺した理由まとめ
自分の生い立ちが半地下側に近いから、家族を見ても滑稽には感じなかった。
匂いの話の時は心が苦しくなったしギテクが『そんなに臭うかなあ、、』と自分のシャツを嗅いでみているときには、「お父さん😢」って切ない気持ちになってしまった。 #パラサイト pic.twitter.com/5ZK6rAR55Z— 🥑アボカドmask🥑 (@avoavocat) February 15, 2020
- インディアンパーティーで殺品事件が起きる中、グンセの遺体に近付いたパク社長は「鼻をつまんだ」
- パク社長は貧富格差を表す差別行為として「臭い」という行動を取っていた
- ギテクは何度か、パク社長に自身の「匂い」を否定されたことがあった
- ギテクは貧困層であることを見下すようなパク社長の「差別的行為」が許せなかった
→裏切られた気持ちが大きくなっていく
→その行動を見たギテクは、パク社長を刺殺した
信じていた人に裏切られることはもちろん、差別的な扱いを受けたギテクの悲壮感が伝わってきますね。。
「貧乏の象徴」とされる「匂い」を、度々気にするギテクの表情がすごく切なく、印象的でした。
息子や娘を傷つけたグンセでしたが、自分と同様の貧困層であることから、「匂い」によって身分までも否定されたことが許せなかったのでしょう!
それが、パク社長を刺した答えだと考察しました!