鬱漫画の金字塔として名高い『おやすみプンプン』。
しかし、実際にどのようなシーンが鬱なのかはあまり知らない方もいるのではないでしょうか?
今回は、そんな『おやすみプンプン』の鬱シーンについてご紹介していこうと思います。
耐性がない方は今この時点で回れ右をおススメします!
耐性が十分にある方は、ぜひ読み進めて行ってください。
- おやすみプンプンの鬱シーン3選
- おすすめされない理由について
目次
鬱シーン一覧まとめ
おやすみプンプン一挙無料公開本日限りなのかあ…私は心が殺伐としていた時期に読んでたから、かなり鬱になったけどピュアな作品で好きだったなあ。 pic.twitter.com/OIQRVhhD8Q
— Lun (@Lunchandayon) July 6, 2023
ストーリー的にも闇が深くてドス黒いシーンが多い中で、次の3つを鬱シーンとしてピックアップしました↓↓
- 愛子ちゃんの最期のシーン
- 宍戸社長への冤罪シーン
- プンプンママの最期のシーン
他にも小さな鬱シーンがありますが、大きいところでいうと上記3つになるかと思います。
ここからは、このシーンについて1つずつ解説していきます↓↓
愛子ちゃんの最期のシーン
この愛子ちゃんの最期のシーンは、日本の漫画史に残るといっても過言ではないほど辛く苦しいシーンです。
どこからが愛子ちゃんの最期と括ればいいかはわかりませんが、この「お母さん殺害〜自殺」までのすべてのシーンに、鬱が散りばめられているといった印象です。
愛子ちゃんがお母さんを殺害してから、プンプンは至って冷静になります。
一方で、徐々に壊れていく愛子ちゃん。
種子島についてからは、まるで小学生の頃のような天真爛漫な愛子ちゃんに戻り、浜辺では「死にたくない」と涙を流します。
白いワンピースが演出する圧倒的ヒロイン感や、今にも蝉の声がリアルに聞こえてきそうなくらい描写力の高い田舎の情景、読者のエモーションに語り掛けてくる中での、愛子ちゃんの「毎年七夕にはお互いを思い出そうね」という口約束。
自首してきれいに収まるだろうというフラグをたくさん立てている中での、突然の自死という衝撃的な展開でした。
それまでの描写で、読者は愛子ちゃんに「自首してでも生きよう!」「出てきたらまたプンプンに会えるよ!」と感情移入をしていたことでしょう。
そこをポキッと折られた瞬間、プンプンの喪失感が手に取るようにわかってしまうのです。
その後、プンプンは愛子ちゃんの遺体を背負いながら、独り言を呟き歩きます。
無情にも生気がなくなった愛子ちゃんの体は地面に投げ出されてしまいます。
この描写から、愛子ちゃんが死んでしまったことを、追い打ちをかけるように読者に突き付けてくるのです。
そして最後に目にしてしまう「あなたがずっと私を忘れませんように。」の短冊。
こうして書いているだけでも辛すぎます。
2人とも覚えておくのではなく、まさかのプンプンだけ片方になるとは予想外の展開でした。
宍戸社長への冤罪シーン
愛子ちゃんの最期とは時期が逆行しますが、わずかながらに上昇基調にあったプンプン。
その彼の人生が、再び下降し始めるきっかけとなる事件が宍戸社長のエピソードです。
宍戸社長は、高校卒業後にニートとなっているプンプンを気にかけ、仕事を提供しようとしてくれた心優しい不動産屋の社長です。
口が悪いけど面倒見のいい娘もいます。
宍戸社長に連れて行かれたスナックでは、南条や蟹江姉と再会も果たします。
宍戸社長は、プンプンの人生の中で上昇に向かうきっかけを与えてくれた人でもあり、破滅の一歩を踏み出すきっかけにもなった人物でもあります。
それまで何かに打ち込むことが何もなかったプンプンでしたが、南条に強引に引き込まれる形で漫画の手伝いをします。
そこで、蟹江姉、宍戸社長、宍戸社長の娘、三村、三村の彼女と、「仲間」や「友達」と言える存在を手に入れました。
宍戸社長の計らいから、プンプンは仕事も手に入れることができたのです。
ところが、事態は思わぬところで急変します。
宍戸社長が立ち寄ったお店で、見つけた雑貨を南条に見せようとそのままお店を出てしまったところ、正義感が強いおばさんに万引犯と間違われてしまったのです。
おばさんは大きい声をあげ、万引犯(と疑って止まない宍戸社長)を捕まえようと腕を掴みます。
宍戸社長は掴まれた腕を振り払っただけなのですが、おばさんは暴力を振るわれたととらえます。
さらに、その一瞬を切り取った第三者が宍戸社長の腰に思いっきりタックルをくらわします。
構図としては、凶悪犯に対して果敢に立ち向かう人たちです。
ただし、実際のところはただの冤罪です。
一部分だけを切り取った自称・正義感が強い人たちが、過ちを犯していることに気づいていないという、今日のSNSでも散見される状態が漫画に描かれているのです。
かくして、宍戸社長は寝たきりの状態になってしまい、ここからまたプンプンの人生が下降気味になっていくのです。
プンプンママ最後のシーン
3つ目は、プンプンの母親のシーンです。
宍戸社長の冤罪シーンからさらに遡りますが、プンプンは高校生の時に母親を亡くしています。
ただ亡くしたあとでも、プンプンは母親のことを好きになることはありませんでした。
プンプンママは自己中心的な性格として描かれています。
プンプンパパとの離婚も、おおもとの原因はプンプンママにあったように思えます。
さらにプンプンが思春期の時にも、自宅に男を連れ込むためにプンプンを外に締め出すなど、母親とは思えない行動を繰り返していました。
一方で、プンプンパパはDVの嫌疑をかけられ(実際にプンプンママを家電で殴っていますが)プンプンに近づくことすらできません。
しかしそれでも、息子を想う健気な手紙がプンプンのもとには定期的に届いていました。
プンプンママは最終的に病気になって亡くなってしまいますが、プンプンにきちんと向き合えていなかったことも素直に謝ることができずに逝ってしまいます。
そして、プンプンママの遺品から、なぜか父親が書いていたはずの手紙が出てくるのです。
そう、父親からきていると信じて止まなかった手紙は、実は母親が書いていたのです。
このプンプンママの最後のシーンには、感動を通り越して気持ちの整理が追いつきませんでした。
おすすめされない理由はトラウマになるから
おやすみプンプンを全巻読んでみた
もう内容は鬱9割:エロ1割みたいな内容で読んでるこっちが鬱になりそうだったけど何故か読むのやめられない感じでした。 pic.twitter.com/0puHr9nYGy— ラガy (@kuzuyarou7y) August 26, 2019
ここまで鬱シーンをご紹介してきましたが、どれも自分がプンプンだったら立ち直れないほどのエピソードばかりでした。
そういった意味でも、おやすみプンプンは「読まない方がいい」とまで言われています。
鬱漫画に耐性がある人にはおすすめができますが、耐性がない人にはトラウマになる、もしくはトラウマを掘り返されるという理由から、おすすめされないことが多いのではないでしょうか。
それだけではなく、万人に理解されやすいわけではないストーリー構成も、簡単に他人にお勧めできない理由の1つだと考えます。
以下では、その中でも個人的に感じた他の理由も考えてみました↓↓
理由① 頭がおかしいキャラが多く登場
頭のおかしいキャラの代名詞と言えば、ペガサス合唱団でしょう。
存在意義が不明、何を言っているか不明、作品の大筋に触れていそうで絶妙に関与してこない、こんなキャラ達です。
仮に誰かにこの作品をおすすめしたとしても、「あれってなんだったの?ストーリーにどれだけ関与しているの?」と質問をされたら、答えられる人は少ないのではないでしょうか。
しかもペガサスに割かれているページ数も多く、文字数も本筋に対してかなり多く感じます。
読むにも一苦労、かつ読んだ上でよくわからない、といった徒労感を感じやすいです。
理由② 性描写が気持ち悪い
人によってはトラウマをえぐられるような描写も数多くあります。
例えば、雄一おじさんの彼女(のちの妻)である翠による、自己中心的な性搾取のシーン。
プンプンは思春期の少年らしく、性に対して一種の憧れを抱いていました。
しかし、思いもよらぬ形で、初体験を奪われてしまいます。
いわばレイプです。
それ以降、プンプンは「性」「女性」に対してよい感情を抱きません。
それ以外にも、雄一おじさんのかつての職場での一幕(押し入れに好意のある子を隠しながら、当時の彼女と性行為に及ぶなど)や、母親の不倫シーン、プンプンと愛子ちゃんの生々しい性行為など、性にかかわる描写が多いです。
そういったシーンを「気持ち悪い」と感じる人も多いことでしょう。
【おやすみプンプン】トラウマシーンや気持ち悪い理由まとめ
この漫画見たら確実に鬱になる
人はどうしたらこうなってしまうのだろうってなるおやすみプンプン pic.twitter.com/bmjBKSSI2S
— ダンシング然🕺 (@uek48) July 16, 2021
以上が、トラウマとなりえる、またはトラウマを掘り返されるシーンでした。
また、本筋に関係あるのかよくわからない変な宗教団体にたくさんのページが割かれていたり、生々しい性行為の描写が多いのも、敬遠される理由と言えるでしょう。
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