【リリーのすべて】は、男性から女声へ性転換するストーリーです。
少し前であれば「性同一性障害」という名前が一般的でしたが、現在では別の呼び名が増えています。
「性別違和」「性別不合」「トランスセクシャル」「トランスジェンダー」などです。
中でも「トランスジェンダー」は、アイナーの抱える悩みにマッチしていました。
そもそも「トランスジェンダーと性同一性障害の違いって何?」という方も多いと思います。
デリケートな問題で、さらに知るためのきっかけが少ないことから、この作品を通して知って頂ければ幸いです。
今回は【リリーのすべて】に登場する、アイナーについてお話します↓↓
★この記事を見ることで、アイナーの性に関する内容が分かります!
目次
【リリーのすべて】アイナーはトランスジェンダー?
『リリーのすべて』観た
クリーム色のセットアップ着たエディめちゃ美しかった…女性の仕草を真似るシーンがよかったな pic.twitter.com/MDWxRzNjGJ— ふわふわの猫 (@fluffycat222) November 11, 2020
そもそも、トランスジェンダーってなに?と思われますよね。
まずはトランスジェンダーについてみていきます。
トランスジェンダーは「心と身体の性別を一致させたいと考えていない人」のこと
トランスジェンダーとは、簡単に言えば「心と身体の性が異なっていても、そこを合致させようとは思わない人たちのこと」です。
トランスジェンダーの「トランス」とは、ラテン語で「逆の方に行く」「乗り越える」といったような意味をもっています。
それに、英語の社会的性別の意を持つ「ジェンダー」がくっついた言葉です。
一口にトランスジェンダーと言っても、3種類あります↓↓
①女性として生まれるも、自分は男性だと信じる人=トランスジェンダーの男性
②男性として生まれるも、自分は女性だと信じる人=トランスジェンダーの女性
③自分は男性、女性どちらにもなりたいと考えていない人=Xジェンダー
心から望む性別と、実際の身体が一致していない人は多くいます。
ただ、気持ちは抱えるも、特に外的な手術は必要としない人たちです。
トランスジェンダーとは性同一性障害とは違う
上記では、トランスジェンダーの種類に触れました。
では「トランスジェンダー」と「性同一性障害」とは何が違うのでしょうか?
それは「手術で身体を変えるか変えないか」の違いです。
心と身体の性別が異なったときに、合致させたいのか、不一致でもそのまま過ごすのかという考え方です。
「トランスジェンダー」は、性自認に合わせて身体を変えることをしないでそのままの姿でいます。
反対に「性同一性障害」は、手術を施したり戸籍の性別を変えて、心の性別に身体の性別を合致させていくのです。
どちらも、混同されがちですが実は違うのです。
性同一性障害は疾患とされていますが、トランスジェンダーは精神的な病気ではないとWHOが認めています。
トランスジェンダーのほうが広い意味を持っており、その中の一種として性同一性障害があるという認識です。
【リリーのすべて】男性から女性へ性別適合手術を受けたシーンから解説
リリーのすべて は世界で初めて男性→女性への性別適合手術を受けた人とその妻の苦悩の話だけど 主人公リリー役のエディレッドメインがすげえ美女 仕草が美女 見た目も美女 pic.twitter.com/IlOGyI85Er
— 鹿野圭太 (@_2327_) January 27, 2018
自分の身体と、なりたい性別の不一致が「トランスジェンダー」でした。
そこで、男性が好き、女性が好きと、相手の性別も選ぶわけなので、数多くの種類に分類されていることに納得です。
ここからは、アイナーが男性から女性へと性別適合手術をしたシーンから、どちらに当てはまるのか考察します↓↓
アイナーが性別適合手術を受けたのは心と体を一致させるため
アイナーが「性別適合手術」を受けたのは、心の性別と身体の性別を一致させるためです。
もともと男性の身体を持って生まれ、そのまま育てられてきたアイナー。
ゲルダと悪ふざけの女装のごっこ遊びをするまでは、自分が男性だと信じてきました。
しかし、女性としての振る舞いをしたことで、あるスイッチが入ります。
アイナーは男性であることよりも女性の方に憧れ、次第に気持ちが抑えられなくなっていきました。
ただの女装趣味ではなく、根本的に「女性になりたい」と切実に願うのです。
リリーになれず苦悩していた場面からもアイナーは性同一性障害だと考察
アイナーは男性に生まれ、女性の身体を持ちたいと願っていました。
リリーとして生きていきたいので、より女性の身体になることを求めていたのでしょう。
性同一性障害だとされたのは、つかの間の女装だけでは満足せず「身体を変えたい」と感じたからです。
トランスジェンダーにも、トランスヴェスタイト(異性装する人のこと)の人もいます。
ただアイナーは、格好の変化だけでは納得できなかったのです。
さらに、ゲルダという妻もいるので、本当にいろいろな感情の中で葛藤したことでしょう。
【リリーのすべて】についてまとめ
「リリーのすべて」を試写で観る。性別違和から初めて性別適合手術を受けた男性の実話に基づくストーリー。レッドメインが素晴らしいがベン・ウィショーとマティアス・スーナールツが脇で光っている。デスプラの音楽もいつも通り良し。3/18公開。 pic.twitter.com/JECBNqxAA6
— わたなべりんたろう (@RintaroWatanabe) February 16, 2016
まとめ
●トランスジェンダーは「心と身体の性別を一致させたいと考えていない人」のこと
トランスジェンダーとは性同一性障害とは違う
●アイナーが性別適合手術を受けたのは心と体を一致させるため
●リリーになれず苦悩していた場面からもアイナーは性同一性障害だと考察
今回は、性同一性障害やトランスジェンダーなどの専門的な側面から【リリーのすべて】を考察してみました。
このような側面を知ることで、内容の理解度はグッと向上します。
性同一性障害で苦しむ人たちは、全国でも4万6千人ほど多くます。
リリーが生きた時代もきっと、オープンにできずに、その辛さに立ち向かった人たちがいるはずです。
そして、こういったセンシティブな内容の映画が堂々と公開され、多くの目に止まる現在。
私たちにできることは「知ること」だと感じます。
映画【リリーのすべて】を通して、1人でも理解する方が増えると良いですね^ ^
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